速報
PR
PR

【回答者 今井明日香弁護士】学習塾で参考書コピーの配布は違法か

質問 学習塾を経営しています。たくさんある参考書を生徒たちに購入してもらうのは負担なので、塾で1冊購入して電子データ化し、低額で生徒たちに配布しています。先日、参考書の出版社からやめるように警告を受けたのですが、教育目的のためなので問題ないですよね。

回答 著作物は、著作権法によって、一定の場合を除き無断で複製等することが禁止されています。「著作物」といえるためは、思想や感情を創作的に表現したものであることが必要です。参考書は、多くの場合、独特の表現で事実をわかりやすく説明している部分があると思いますので、「著作物」にあたることが多いでしょう。

 著作物は、個人や家庭内で利用するためなど、一定の場合を除き、無断で複製することが禁止されています。コピー機を使ってコピーする場合などだけでなく、書籍を電子データ化することも、「複製」にあたります。

 設問でも指摘されているとおり、たしかに、教育に関連して、著作物の複製が認められている場合があります。例えば、学校その他の教育機関の授業で使用する場合には、必要と認められる限度で、著作物を複製することができると著作権法に定められています。ただし、著作権者の利益を不当に害する場合には、認められません。

 しかし、著作権法で、教育機関でも「営利を目的」とするものは除くとされていますので、営利を目的とする学習塾は、授業で使用する場合でも、著作物を複製することは許されません。なお、仮に営利を目的としない学校であったとしても、参考書を1冊全部複製することは、「必要と認められる限度」を超えることがあると考えられます。また、著作権に違反して複製されたものを販売することも、違法になることがあります。

 したがって、設問の場合には、著作権法に違反しているおそれがあり、問題があるといえます。著作権法に違反して著作物を複製等すると、差し止めや損害賠償等を請求されることが考えられますし、刑事罰の定めもあります。十分に注意する必要があります。

(いまい・あすか)

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る