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日中友好の40年 溝を埋め互恵の関係を

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 1978年8月12日の日中平和友好条約締結から40年がたった。

 この間に両国の貿易額は60倍になり、人の往来は千倍に増えて1千万人を超えた。一方で歴史認識や安全保障を巡る対立を繰り返してきた。「一衣帯水」の隣国関係の構築は、なお途上と言えよう。

 改革・開放路線を進めた中国は国内総生産(GDP)で日本を抜き世界2位の経済大国となった。

 同時に「海洋強国」建設を進め、沖縄県・尖閣諸島周辺で公船の領海侵入を繰り返したり、南シナ海で軍事拠点化を進めたりしている。日中関係を将来に向けて発展させるには中国の自制が必要だ。

 一方、安倍晋三首相は靖国神社を参拝するなどして日中関係の溝を深めてきた。歴史を直視する姿勢が求められる。

 今年5月の李克強首相来日を機に関係改善の機運は高まっている。10月には安倍首相が訪中し、来年には習近平国家主席の初来日が想定されている。

 こうした首脳往来を定例化して信頼の基盤を固め、両国の互恵関係を築いてもらいたい。

 尖閣周辺では中国公船の領海侵入がほぼ常態化している。東シナ海の日中中間線付近では中国の一方的なガス田開発が続く。

 南シナ海での軍事拠点化に対しては、東南アジア諸国連合(ASEAN)が懸念を示している。

 「力による現状変更」は容認できない。すべての紛争について「平和的な手段で解決」すると明記した条約の原点に立ち返るべきである。

 偶発的な衝突を避けるために、6月に運用が始まった防衛当局の通報体制「海空連絡メカニズム」なども活用し、関係改善に水を差さないよう、努めてもらいたい。

 日本側にも課題はある。

 安倍首相は2015年の戦後70年談話で「謝罪表明」について直接的な言及を避けた。閣僚の靖国神社参拝も繰り返されてきた。関係改善を図るには中国の国民感情に配慮することも欠かせない。

 習政権は経済圏構想「一帯一路」への協力を求め、安倍首相は協力に前向きな姿勢を示している。中国が広く影響力を拡大する意図もあるとみられ、その狙いを慎重に見極めたい。

 喫緊の課題である北朝鮮の非核化や、日本人拉致問題の解決に向けても、北朝鮮に強い影響力を持つ中国との連携が欠かせない。

 大国となった中国とどう向き合うか。「競争」から「協調」へ新たな道筋を描く時期にきている。

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