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ヒグマ出没 遭遇しない工夫が大切

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 全道各地でヒグマの出没が相次いでいる。目撃などの件数は昨年を200件以上も上回るペースで過去10年で最多となりそうだ。

 根室管内羅臼町では、飼育されたヤギや飼い犬がヒグマに襲われたとみられる被害が出た。

 雌が市街地そばの山林に定着して繁殖したり、若い雄が強い雄のいない場所を求めて人里近くに出てしまうこともある。最近は人を恐れないクマも現れている。

 自治体など関係機関は住民に出没情報を提供するとともに、ヒグマに関する正しい知識の普及に努めてもらいたい。

 不幸な事故の発生を防ぎ、ヒグマと共生するためには、遭遇を回避する工夫が欠かせない。

 とりわけ、人間の生活圏に立ち入らせないことが大切だ。

 ヒグマの生息数は、2012年度は1万600頭と、1990年度の5800頭から1・8倍に増えたと推測される。

 ヒグマは学習能力が高く、残飯や農作物などの味を覚える。

 ごみステーションやコンポストは頑丈なものにし、ごみ出しのルールを徹底したい。

 電気柵を設置してショックを与えれば、クマに人里に近づくのは危険と学習させられるだろう。

 本来は人を避け、やぶなどに隠れて行動することが多い。

 山野と市街地をつなぐ河畔林や防風林の下草を刈り、隠れ場所をなくすことが効果的だ。森林と農地の境界を刈り払って緩衝帯を造れば、クマの侵入を抑制できることも実証されている。

 登山や野山を散策する際は、鈴や笛で自分の存在を知らせ、万一出会っても走って逃げないなど対処方法を頭に入れておきたい。

 自治体などのホームページに掲載されているクマの出没情報にも、十分注意を払ってほしい。

 一方で、ヒグマの適正な個体数を保つ必要がある。

 道が昨年定めたヒグマ管理計画は、道内を5地域に分け、捕獲も含めて個体数を管理する。

 初めて雌の捕獲の制限を決めたが、5年間の捕獲上限数は計1990頭と、10~14年度の実績の1・7倍に上る。

 道内では60年代から春グマ駆除が行われ、個体数が減少した経緯がある。5地域のうち、積丹・恵庭、天塩・増毛の両地域は、環境省の「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。

 各機関が連携しながら、モニタリング調査などで個体数の把握に努め、慎重に進めてほしい。

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