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翁長氏急逝

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沖縄に「ちるだい」という島言葉がある。喪失感で気が抜けた、という意味だそうだ。そんな思いの沖縄の人たちも、きっと少なくないだろう。翁長雄志沖縄県知事が急逝した▼保守系ながら保革の立場を超えた「オール沖縄」を掲げて、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対運動の先頭に立ち続けた。先月、辺野古埋め立て承認の撤回手続きを始めたばかりだった▼「沖縄は日本に操を尽くしてきた」。翁長氏は、よくこう口にしたという(松原耕二著「反骨」)。太平洋戦争では、本土防衛の「捨て石」とされ、戦後は日本の独立と引き換えに米国統治下に置かれた。にもかかわらず、沖縄にはいまも広大な米軍基地が存在する▼翁長氏が辺野古移設反対に転じたのは、それほど尽くしたのに「一顧だにしない」本土に失望したからだ。「沖縄は、自ら基地を提供したことは一度もございません」。2015年5月の移設反対県民大会では、強い口調で訴えた▼遠く北海道に住む私たちには、沖縄の「痛みが分かる」とまでは言えないかもしれない。それでも痛みに寄り添おうとすることはできる。何ができるか、考えることはできる▼「この国の『平和』を守れと沖縄に基地押しつける 俺たちは誰」(日曜文芸、平島邦生)。辺野古問題が最大の争点とされる知事選は沖縄にとって大きな岐路となる。ちるだいなどとは言っていられない。2018・8・11

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