PR
PR

豪雨1カ月 道内も備えを怠らずに

[PR]

 死者・行方不明者236人の甚大な被害をもたらした西日本豪雨から1カ月が過ぎた。

 現在も9府県で3600人超が避難所生活を強いられている。被災地では、がれき撤去がまだ終わらず断水が続く地域もある。

 仮設住宅の建設は始まったばかりだ。復旧・復興は長引くとみられ、政府と自治体には、息の長い支援が求められる。

 道内でも同様の豪雨災害を想定し、万一の際、迅速で適切な避難行動がとれるように備えておかねばならない。

 50人以上が犠牲になった岡山県倉敷市真備町の浸水区域は、市のハザードマップの浸水想定区域とほぼ同じだったが、マップを知らない住民も多く、十分に活用できなかったのは残念だ。

 道内の市町村では周知徹底されているだろうか。

 札幌市では、豊平川の堤防が決壊すると、札幌駅やススキノを含む広範囲が大規模冠水に見舞われ、地下街や地下鉄にも濁流が流れ込むと予想されている。

 啓発活動を通じて住民の防災意識を高め、自宅や職場など生活圏の避難路や避難場所を覚えてもらう必要がある。

 観光客ら来訪者にも素早く知らせる方法や、避難誘導の訓練も欠かせない。

 2015年の改正水防法は、想定し得る最大規模の降雨に備えたマップへの改訂を求めているが、多くの市町村は財政難や人材不足で見直しが進んでいない。政府や都道府県は支援すべきだ。

 道は、1万1800に上る危険箇所を「土砂災害警戒区域」に指定する方針だが、まだ全体の半分も済んでいない。

 住民に説明を尽くし、作業を加速させてもらいたい。

 今回の豪雨では、真備町の避難指示が堤防決壊の4分前に出されるなど、避難指示のタイミングが課題に挙がっている。

 自治体は、住民が速やかに避難できるよう、空振りを恐れずに発令を検討してほしい。

 住民の危機感の薄さも問題だ。2年前に道内を襲った連続台風では、延べ約14万7千人に避難指示・勧告が出されたが、避難者は1割に満たなかった。

 事態を楽観的にとらえようとする傾向は誰にもあり、結果として逃げ遅れる恐れがある。

 避難指示が出たら逃げる受け身の姿勢ではなく、住民が主体的に判断して早めに行動に移すことが命を守る鍵になる。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る