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日ロ2プラス2 安保の溝、埋める努力を

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 日ロ両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)がモスクワで1年4カ月ぶりに開かれた。

 ロシアは、日本が秋田、山口両県で計画する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に懸念を示し、安全保障を巡る日ロの溝が改めて浮き彫りになった。

 北朝鮮の非核化に向けた緊張緩和の流れの中で、地上イージスの必要性には疑問符が付く。高額で技術的問題もある上、日ロ間の対立の火種になるようでは、やはり導入の見直しが必要だろう。

 一方、ロシアは北方領土で軍備増強を続けている。共同経済活動など日ロの協力拡大の努力に逆行するもので認められない。

 2プラス2は、外交・安保の信頼醸成を北方領土交渉の進展につなげるのが狙いのはずだ。日ロ双方とも安保の溝を埋め、互いの懸念払拭(ふっしょく)に努めなくてはならない。

 今回の協議で日本側は地上イージスについて「純粋な防衛システムで、ロシアに脅威を与えるものではない」と説明した。

 ロシアが納得しないのは、米国のミサイル防衛(MD)が欧州からアジアに拡大し、その配備に日本が協力していると見るからだ。日ロ間の認識の違いは大きく、簡単には解消されそうにない。

 ロシアの軍備増強はMDへの対抗が理由だ。択捉、国後両島に3500人規模の師団を駐留させ、2016年には地対艦ミサイルを配備するなど態勢強化を進める。

 北方領土はロシアに不法占拠された状態であり、容認できない。日本側は軍備増強の中止を粘り強く求めていくべきである。

 北朝鮮の非核化では連携を確認したが、制裁を巡っては立場の違いが鮮明になった。

 日本が制裁の完全履行を求めたのに対し、ロシアは制裁緩和に柔軟な姿勢を示した。核廃棄のプロセスが未定の中で制裁緩和を優先するような対応は認められない。

 気になるのは、日本側がウクライナ問題を取り上げなかったことだ。「力による現状変更」を認めない立場は北方四島の帰属確認にも通ずる。日本が譲歩したと受け取られないよう注意すべきだ。

 このさなか、福井照沖縄北方担当相は、真珠湾攻撃の艦隊が択捉島から出撃したことなどを念頭に、太平洋戦争について「千島列島で始まり、千島列島で終わった」と発言した。

 これは北方領土は千島列島に含まれないとする政府見解とは異なる認識だ。担当閣僚がこんなことではロシア側に足元を見られる。

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