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北海道とカジノ 根本から是非の論議を

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 誘致にお墨付きを与える場になってしまうのではないか。そんな疑念が拭えない。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、道の有識者懇談会が議論を開始した。

 年内をめどに意見をまとめる方針で、高橋はるみ知事はそれを踏まえて誘致の是非を判断する意向を示している。

 IRは、増え続ける外国人観光客を取り込み、経済活性化につながるとの期待がある一方、ギャンブル依存症の拡大や治安の悪化を心配する声も根強い。

 賛否が大きく分かれる問題だけに、懇談会では、北海道にカジノが必要かどうかを、根本から議論する姿勢が求められる。

 ところが、会合はわずか4回しか予定されていない。

 スケジュールを淡々とこなして終われば、単に議論の体裁を取り繕っただけと批判されよう。

 9人のメンバーも、依存症対策に取り組むNPOの代表2人を除けば、ほとんどが観光や経済の専門家だ。道や政府の観光関連の審議会の関係者も多い。

 カジノの経済効果に議論が偏らないか、懸念される。

 初会合では、道が提唱する「北海道型IR」のあり方から議論に入り、メンバーから特に反対する意見は出なかった。

 道外にない自然や食材を生かす北海道型IRは、既に誘致活動を展開している大阪などの都市型と差別化を図る狙いという。

 そもそも、誘致の是非を判断するのはこれからのはずだ。いきなり施設の構想をテーマにすることには違和感がある。

 これでは、誘致を前提とした「出来レース」と受け止められても仕方あるまい。

 次回は、誘致に名乗りを上げる苫小牧市、釧路市、後志管内留寿都村の担当者を招いて候補地について議論する。

 3回目に依存症対策を取り上げ、最終回に意見の取りまとめを行う運びだ。

 この窮屈な日程で、掘り下げた議論ができるだろうか。あまりに拙速と言わざるを得ない。

 依存症などの弊害は、誘致自治体だけでなく、道内全域の住民生活に影響が及ぶ恐れがあることを忘れてはならない。

 誘致の是非を判断するには、アンケートなどで幅広い道民の意見を聞く必要がある。

 「スケジュールありき」ではなく、懇談会は、議論に道民の声を反映させるべきだ。

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