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<第8部 卸売市場かいわい>1 マグロ解体ショー 見学人気 仲卸が支え

 大勢の子どもがじっと見守る。視線の先は、体長1・5メートル、重さ78キロの本マグロだ。

 7月27日に室蘭市公設地方卸売市場で開かれた夏休み恒例「親と子の市場見学会」の本マグロ解体ショー。仲卸業の酒井水産(札幌)室蘭支店営業部長の大和田敦基(あつき)さん(37)が、マグロの背から包丁を入れ、大粒の汗をかきながら、手際よく解体していく。

■喜ぶ子どもたち

 わずか10分ほどで刺し身が出来上がった。室蘭市立知利別小1年の佐藤樹梨さん(6)は「あんなに大きなマグロを初めて見た。切っているところもすごい」と喜んだ。

 大和田さんのショーは5年以上前に始まった。市場内に構える室蘭支店でたまたま本マグロを解体していた時、見学会の一行が通りかかり、注目を集めた。子どもが喜ぶ姿に「来年もやろうとすぐに思った」。以来、毎年続けている。

 室蘭出身で、16歳で鉄鋼関係の仕事に就き、全国各地の現場で働いた。結婚を機に「転勤や長期出張がない仕事に」と、20歳で酒井水産に転職した。

 同社は独自のルートで本州や海外のマグロを仕入れ、室蘭支店を経由し札幌などに卸しており、マグロの確保には困らない。ただし、解体後、見学会参加者に振る舞う刺し身代の1万~3万円分は、大和田さんが個人で負担している。

 「年に1回のイベントだから特別だよ。それに、魚嫌いの子も増えていると聞くので、魚はおいしいんだと知ってほしいからね」。3人の子どもがいる父親の顔をのぞかせた。

 卸売市場は普段、卸、仲卸、小売業者ら関係者しか立ち入りできない。見学会は、最も活気のある時間帯に子どもらを招き、市場の役割を知ってもらおうと市が2002年、試験的に始めた。08年から市場を管理する第三セクター「市場サービス」が引き継いだ。

■定員超える応募

 青果の競りの見学や冷凍庫での極寒体験もでき、登別市民に開放した14年以降は毎年、定員の30組を超える応募がある人気行事になっている。

 今年も親子80人が参加。ほかの仲卸業者も、地元産のエビやタコの刺し身などを提供し、参加者を楽しませた。市民が食の流通に触れる貴重な場は、仲卸業者らの心意気が支えている。

豆知識 大和田敦基さんから


 ■マグロ 腹の真ん中あたりが脂が乗った大トロで、人気があるが、頭の肉も脂が乗っていておいしい。カマや頭のてっぺんの「脳天」など、スーパーで探すのは難しいけれど、見かけたときはぜひ試して。脂が少ないキハダマグロやビンチョウマグロはぶつ切りにして山かけやネギトロに。脂が多い本マグロやバチマグロは酢飯と食べるといいですよ。マグロの解体は1年半ほどでできるようになります。でも素早く丁寧にさばくには、さらに練習が必要かな。

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