PR
PR

<観察日記>ハリオアマツバメ 曲芸飛行

[PR]

豊平川上空を高速で飛ぶハリオアマツバメ。速すぎてカメラのオートフォーカスが追いつかない。飛ぶ位置を予測し、ピントを固定して撮影した=6月10日午後5時15分、札幌市中央区
 ハリオアマツバメの曲芸飛行は、見ていて全く飽きない。そして、その生態は人知を越えている。一生のほとんどを空で過ごし、睡眠や食事、水飲み、交尾までも飛びながら行うという。

 5年前、その生態に魅了され、札幌市豊平区の西岡水源池で飛びながら水を飲むハリオアマツバメを撮影し、紙面で紹介した。ただ、撮影には一苦労した。

 まず、速すぎてファインダーに収められない。それに広い池のどの場所で水を飲むかは全く予測できない。800ミリ相当の超望遠レンズが必要で、重い機材を担いで現地に何度も通った。

 うまく撮影できるまで2年かかった。

大きく口を開いて滑空(右)、しぶきを上げながら水を飲み(中)、水面を離れるハリオアマツバメ=2013年6月25日午後4時20分、札幌市豊平区の西岡水源池
 4年前に長男が生まれたのを機に、一昨年、豊平川沿いのマンションへ引っ越した。夕刻、ベランダでたそがれていたら、どこからともなくハリオアマツバメの群れが現れ、目の前を飛び回り始めた。


 そういえば、川沿いということもあり、よく部屋にえたいの知れない羽虫が侵入し、妻が悲鳴を上げていた。羽虫が集まるわが家の前は、ハリオアマツバメにとって絶好の餌場だったようだ。

 以来、自宅のベランダでハリオアマツバメを観察するのが日課になった。仕事で家にいない時は妻と4歳の長男に観察をお願いし、ハリオアマツバメを発見したらすぐに連絡がくるホットラインをつくった。いつしか息子も、ハリオアマツバメとハトの違いが分かるようになった。

 今回の連載では、低速シャッターで背景に写る札幌の街並みを流す「流し撮り」で、ハリオアマツバメの高速感を表現した。総撮影枚数は約3千枚。納得のいく写真が撮影できたのは、紙面に掲載されたこの1枚だけだった。

 7月から東京支社の写真課で勤務している。赴任して最初の週末、都内の八王子市へ遊びに行った。鉄道の到着駅で改札口を出た長男が「あっ、ハリオアマツバメだ」と空を指さした。

 惜しい。残念ながらツバメだ。

 アマツバメ目アマツバメ科のアマツバメと、スズメ目ツバメ科のツバメは、外見こそ似ているが、類縁関係は遠い。長男に「あれはツバメだよ」と説明したが、その違いが分かるようになるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。

鉄道駅の改札口に設置された監視カメラの上で営巣していたツバメ=7月7日午後4時5分、東京都八王子市
 東京のツバメはまもなく巣立ちを迎える。人通りの激しい駅改札口に設置された監視カメラの上でツバメが営巣していたのには驚いた。いつか、シリーズ「となりの野生」東京編で紹介できれば、と思っている。


(東京写真課 富田茂樹)


 次回はジンガサハムシです。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る