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<新刊と文庫>「SPQRローマ帝国史Ⅰ・Ⅱ」など

<単行本>


◆SPQRローマ帝国史Ⅰ・Ⅱ メアリー・ビアード著
 英国の古典学者がローマ帝国の共和政から帝政時代を描く歴史書。小さな町が巨大帝国になったのは、殺戮(さつりく)による領土拡張ではなく、他国に属したままローマ市民になれる二重国籍を認めたからという。沈没船の残骸、修道院で見つかったローマ人の手記などの新事実をもとに定説を塗り替えていく。宮﨑真紀訳。(亜紀書房 各2592円)

◆バンド・デシネ異邦人 作・絵 ジャック・フェランデズ、原作 アルベール・カミュ

 バンド・デシネは、フランス語圏で芸術の一ジャンルとして認知されている、ストーリーマンガ。ノーベル賞作家カミュの代表作を、歴史的・時代的背景を克明に描き出してマンガ化し、フランス支配下のアルジェリアが舞台になっていることの意味を浮き彫りにした力作。青柳悦子訳。(彩流社 1944円)


◆カモメの日の読書 漢詩と暮らす 小津夜景
 とっつきにくく思える漢詩もまた、一編の詩。唐から清の42編をエッセーと並べて読み進めていくと、しなやかな訳も相まって、心の中にさらさらと流れ込んでくる。漢詩が、われわれの日常とそれほど離れていないのに気付く。著者は釧路出身でフランス在住の俳人。(東京四季出版 2160円)

◆経済学者たちの日米開戦 牧野邦昭著
 日米開戦前に当時一流の経済学者たちを招集し創設された、陸軍省戦争経済研究班「秋丸機関」。目的は経済比較による日米戦争の勝敗予測で、出された結論は日本の必敗。その合理的予測を軍人も政治家も皆理解したにもかかわらず、なぜ彼らは開戦に走ったのか。経済学者である著者が行動経済学などを駆使し、太平洋戦争に隠された真理に光をあてる。(新潮選書 1404円)

◆無脊椎水族館 宮田珠己著

 日本全国の19水族館をめぐり、クラゲ、イソギンチャク、ウミウシなどの無脊椎動物を眺め続ける異色の紀行。全巻を通じて流れる「ボケー」という擬音がぴったりの脱力した空気が心地よい。カラー写真で紹介された生き物たちを眺めているだけで楽しい。そして、しっかり生きている彼らの姿に勇気づけられる。(本の雑誌社 1944円)

<文庫・新書>


◆要秘匿 カレン・クリーヴランド著

 米国に潜入しているロシアスパイを探っていたCIA分析官のヴィヴィアンは、映し出された画面に驚愕(きょうがく)した。なんと4人の子の父で、自分の夫マットだった。夫婦の愛か、国家への忠誠か。元CIA分析官の著者が描く映画化決定のスパイ小説。国弘喜美代訳。(ハヤカワ文庫 907円)


◆お釈迦(しゃか)さま以外はみんなバカ 高橋源一郎著
 著者がパーソナリティーを務めるラジオ番組の人気コーナー「源ちゃんのゲンダイ国語」を書籍化。「日本国憲法を大阪おばちゃん語で言い換えたら」「『どっこいしょ』の意味は」など、薀蓄(うんちく)ある言葉やユニークな本を紹介。(インターナショナル新書 799円)

◆太宰よ! 45人の追悼文集 河出書房新社編集部編
 今年、没後70年の太宰治。親交のあった作家や家族の追悼文、人物評を集めた文庫オリジナル版。師として面倒を見た井伏鱒二の弔辞、同人誌仲間の檀一雄、「太宰さんの文章はきらい」といった三島由紀夫らの文章を精選。(河出文庫 896円)

◆咲見庵三姉妹の失恋 成田名璃子著
 葛餅(くずもち)が人気の和菓子カフェ咲見庵を切り盛りする長女花緒、次女の大学生六花、2人とは母親の違う末娘の高校生若葉。そこに女嫌いの男子高生、薫も同居することに。3姉妹の恋愛を追いながら、固く結びついた家族の姿を描く。舞台となった蔵の町、川越も魅力的。(新潮文庫 594円)

◆知の古典は誘惑する 小島毅編著
 日本学術会議が、中高生を対象に学問への関心を高める目的で企画した「知の航海」シリーズ。今回は人間の生き方を説く「論語」、人間の本質は考えることというデカルトの「方法序説」といった、日本、中国、インド、ギリシャなどの思想的古典8冊の魅力を解説。(岩波ジュニア新書 864円)

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