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アイヌ民族英雄シャクシャイン 優しさか 勇ましさか 今後で意見が割れる 新ひだか

 【新ひだか】日高管内新ひだか町でアイヌ民族の英雄シャクシャインの像の造り替えに向けた作業が進んでいたが、地元のアイヌ民族ら有志が現存する像の補修を求め、議論が割れている。新ひだかアイヌ協会は平和を祈る姿の新しい像を造る計画だが、有志は現存する像の勇ましい姿を残したい考え。このまま折り合いが付かなければ新旧二つの像が並ぶ可能性も出ている。

■造り直し「新たな姿に」/「既に定着」像を修繕

 シャクシャインは17世紀にアイヌ民族を率いて松前藩の圧政に抵抗した。現在の像は、町内のアイヌ民族ら有志による任意団体シャクシャイン顕彰会が1970年、町静内真歌の高台に設置し、76年に町に寄贈。新ひだかアイヌ協会が像の前で毎年9月、全道からアイヌ民族を集めた法要祭を開いている。

 像は強化プラスチック製で、高さ3・5メートル。勇ましい顔つきで右手につえを持ち、渡島管内松前町方面を向く。風雨や地震などで像の表面がはがれ落ちるなどの老朽化が進み、数年前から、協会と顕彰会が像のあり方について協議を進めてきたが、結論が出なかった。

 協会側は新像を主張し、町が財政難で費用を捻出できないため、自らが今年9月の法要祭までに設置する計画だ。今年2月に、穏やかな表情で平和を祈る立ち姿のイメージ図を公開。大川勝会長(73)は、政府がアイヌ新法の制定を目指していることを踏まえ、「穏やかに和平を望む姿にしたい」と説明する。

 一方、現在の像の補修を求めている顕彰会の土肥伸治会長(67)は「既に定着し、親しまれている像を守りたい」と話す。修繕費の持ち出しを町に申し出ており、数年後に現在と同じ姿のブロンズ像を設置したい意向も示す。

 協会側は今春から募金を始め、目標の5千万円の3分の1が既に集まった。業者への発注も済ませたという。町は当初、協会の新像が完成すれば、現在の像を撤去する考えだったが、顕彰会の申し出を受けて態度を保留している。

 町は打開策を探るため、近く協会と顕彰会との3者会談を開く。町幹部は「何とか両者が手を組んで、最善の方法を考え出してほしい」と話している。(升田一憲)

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