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ウナギ保護 資源管理強化に知恵を

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 環境省がニホンウナギを絶滅危惧種に指定してから5年がたつ。

 日本は、中国・韓国・台湾とともに自主規制による資源管理を目指してきたが、見るべき成果はほとんど上げていない。

 ウナギ資源の保全は今や、国際的な課題だ。

 来年は野生生物の取引に関するワシントン条約の締約国会議があり、ニホンウナギも国際取引の規制対象となる可能性がある。

 資源管理の強化は待ったなしだ。生産履歴管理の徹底など、密漁や密輸の排除に向けた仕組みづくりを急がねばならない。

 将来もウナギを食べ続けるためには、大量消費をやめ、漁獲から流通までを見直す必要がある。

 養殖に欠かせない稚魚の漁獲量は近年、ピーク時の1割以下で推移してきた。

 今期は史上2番目の不漁に終わり、稚魚の高騰でかば焼きの価格も上昇している。

 稚魚の激減は、海流の変化や生息環境の悪化に加え、長年の乱獲の影響も大きいだろう。

 にもかかわらず、規制強化に向けた関係国の取り組みは鈍い。

 日中韓台は2015年、養殖の上限枠を設けたが、基準が甘く、事実上の取り放題になっている。法的拘束力のある資源管理の枠組みづくりも進展していない。

 生態に未解明の部分が多く、規制は科学的根拠がないとして、日本と並ぶウナギ消費国となった中国が協議を拒んできたからだ。

 日韓台の専門家会合が今秋、ようやく開かれる。現状認識を共有し、具体策を打ち出すため、日本が議論をリードし、結束して中国への働きかけを強めたい。

 もちろん、自らも襟を正さねばならない。

 水産庁は、過少申告や密漁、密輸の存在を知りながら、養殖池に入れた稚魚の量で規制する間接的な資源管理を行ってきた。

 ワシントン条約事務局は、日本で養殖に回される稚魚の6~7割が不正に入手された可能性が高いとし、条約の規制対象となっているヨーロッパウナギについても日本への密輸の横行を指摘した。

 この状況を放置したままでは、他国を説得できまい。

 稚魚の採取から消費者に届くまで、生産履歴を追跡できるようにすることが不可欠だ。

 流通大手イオンは、生産履歴が不明なニホンウナギの調達を5年以内にやめると発表した。

 消費者も、ウナギの消費のあり方を考えることが求められる。

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