PR
PR

LGBT差別 自民の姿勢が疑われる

[PR]

 差別を扇動する、悪質なヘイトスピーチというほかない。

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が、月刊誌で、LGBTなど性的少数者は「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と主張し、行政による支援に疑問を呈した。

 一方的な尺度を振りかざして特定の集団を差別するのは、優生思想と変わらない。

 独身者や子を持たない夫婦なども侮辱する暴論で、福祉行政の否定にも等しい。党内からも批判が出たのは当然だ。

 ところが、二階俊博幹事長は、党の立場は違うとしながらも「人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろ」と述べた。

 その「人それぞれ」を否定しているのが杉田氏ではないか。

 自民党は一昨年の参院選からLGBT理解を増進する議員立法の制定を公約に掲げている。

 杉田氏は昨春出版した著書でも同様の偏見を示した。こんな人物を、その後の衆院選の比例代表で当選させた党の責任は重大だ。

 杉田氏は、少子化対策となる子育て支援などと対比する形で、行政のLGBT支援を批判した。

 しかし、少子化対策と性的少数者の人権擁護は全く別の問題だ。

 まして、人を「生産性」という言葉で選別する発想は、相模原市の知的障害者殺傷事件や、ナチスドイツによる障害者らの安楽死政策にも通じる危険性を持つ。

 国民は平等な施策を求める権利があり、国はそれを保障する義務がある。

 学校への攻撃も悪質だ。性的少数者はいじめの標的となりやすく自殺率も高いため、文部科学省が現場に配慮を求めている。

 だが、杉田氏は、性自認に即した制服やトイレの使用を挙げ、混乱を招く、などと批判した。

 現実に苦しんでいる子どもへの想像力を欠いている。

 国連は、性的指向や性自認を理由とする暴力や差別は命にかかわるとして加盟国に対応を求めた。

 国際的な潮流や公約にもかかわらず、自民党内では不見識な発言が後を絶たない。

 竹下亘総務会長は昨年、宮中晩さん会を巡り「日本国の伝統には合わない」と国賓の同性パートナーの出席に反対した。杉田氏によれば、今回も先輩議員から励ましを受けたという。

 札幌市がパートナーシップ宣誓制度を設けたのをはじめ、性的少数者に当たり前の権利を保障する動きが全国で広がっている。この流れを止めてはならない。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る