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<第7部 白鳥大橋かいわい>8 ライトアップ 夜の港浮かぶ工場群

 イルミネーションが輝く白鳥大橋を祝津町側から車で北上した。左前方には、ライトアップされたJXTGエネルギー室蘭製造所(陣屋町)の集合煙突がそびえ、白煙をなびかせる。

■青が映える煙突

 同製造所で照明やモーターの保守を担う計装電気グループの志賀喜紀(よしのり)さん(44)が、ライトアップの責任者を務める。「照明メーカーの力を借り、コンピューターでライトの反射などをシミュレーションした。先端部の青が映えるように心掛けた」と説明する。

 集合煙突は前身の日本石油精製が1973年に建造した。直径4・7メートルの3本の管が先端で合流し、ロケットのような形をしている。高さ180メートルで、市内の構造物で最も高い。ナフサを精製する過程などで出る排ガスを放出している。

 ライトアップは2014年11月、地域貢献の一環で始めた。赤と薄緑のしま模様だった煙突を先端から青、水色、白の3色に塗り替えた。室蘭の海と空をイメージしたほか、白鳥大橋とのバランスも考えた。

 煙突に取り付けた発光ダイオード(LED)の投光器36基が毎日、日没前から午前0時まで煙突を照らす。

 点灯開始後も細部を微調整した。煙が想定より目立ち過ぎたため、近隣住民にも配慮して明るさを若干落とした。志賀さんは「ライトの角度が1度違うだけで雰囲気は変わる」と話す。

 点灯開始から3年後の17年、同社は19年3月に室蘭製造所が石油化学製品の製造から撤退する業務再編を表明した。集合煙突が引き続き業務で使用されるかは分からない。同社は「要望があれば点灯継続を検討する」としているが、明確な判断は示していない。

 集合煙突と並ぶ室蘭夜景の主役、白鳥大橋は1998年6月の開通時からライトアップを続けている。

 点灯時間は、集合煙突と同じ日没前から午前0時。橋は室蘭開発建設部が管理運営するが、ライトアップは当初から室蘭市が担う。

■立体感が持ち味

 「白鳥大橋が港の入り口にそびえ、工場群が港を囲む室蘭の夜景は立体的で、いろいろな場所から楽しめる」。丸田之人(ゆきと)・市観光課長は誇らしげに語る。

 白鳥大橋は、2本のメインケーブルに沿って228個の照明があり、高さ140メートルの2本の主塔を投光器88基で照らす。市の祝津風力発電所が電力を供給する。余剰電力は売電し、風が弱いときは北電から不足分の供給を受ける。

 16、17年度に全てをLED電球に切り替えた。消費電力は70%減り、年間約300万円の節約になった。

 16年度、交換したLED電球の一部が点灯しなくなるトラブルがあった。照明メーカーの調査で、強風による振動が原因と判明した。メーカーが揺れに強い電球を開発して交換し、以降、電球は切れていない。

 室蘭港のナイトクルージングを楽しんだ川崎市の会社員飯田令子さん(53)は「白鳥大橋や集合煙突のライトアップは迫力があって良かった。これからもきれいな夜景が残ってほしい」と話していた。

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