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離婚手続き注意点は 弁護士が対談で説明 公正証書作りトラブル回避 年金分割請求忘れずに

 札幌弁護士会と北海道新聞社は11日、くらしの法サロン「離婚の実務~当事者として困らないために」を同社1階のDO―BOXで開いた。離婚の手続きや財産分与の方法などについて、離婚問題に詳しい清平温子弁護士が菊地亮介弁護士と対談しながら説明した。主な内容を紹介する。

 Q 離婚の種類について教えてください。

 A 大きく分けると3種類あり、一番多いのが協議離婚、続いて家庭裁判所で手続きをする調停離婚と裁判離婚です。協議離婚は夫婦が離婚の合意をし、離婚届を提出するだけで成立します。未成年の子どもがいる場合は、事前に子どもの親権者をどちらにするかを決める必要があります。

 当事者どうしで離婚の話し合いができないという場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。離婚調停は、家庭裁判所で裁判官と調停委員男女各1人でなる調停委員会が中立な立場で手続きを行います。夫婦の事情を交互に聞きながら、話し合いを進めていきます。話し合いがまとまれば調停が成立し、家庭裁判所が調停調書を作成してくれるので、この調書を基に離婚届を提出することなどができます。

 Q 話がまとまらなかった場合はどうなりますか。

 A 調停不成立になります。それでも離婚したい場合は離婚訴訟を起こすことになります。

 Q そもそも話し合いなんてできない、すぐに離婚訴訟をしたい―というのはダメなのでしょうか。

 A 日本の法律は、離婚調停を先に行うべきだと定めています。それでダメなら離婚訴訟になります。ただ例外があり、相手が行方不明でどこにいるか分からない、海外に居住しており話し合いができないなどの場合は、いきなり離婚訴訟を起こすことが認められるケースもあります。

 Q 離婚に際するもめ事やトラブルの回避には、どんな方法がありますか。

 A 養育費や財産分与などの離婚の条件を書面にして残したいという場合は、離婚協議書や合意書を作ることがあります。最近は公証人役場で公正証書の形で協議書を作る人も増えています。公正証書を作っておけば、例えば、協議内容として定めた養育費が支払われない場合に給与や預貯金の差し押さえなどの手続きを取ることができます。

 Q 離婚した際の財産分与について教えてください。

 A 婚姻期間中に協力して形成した財産が対象です。親から相続した遺産や結婚前からの財産は原則的には特有財産といって対象にはなりません。特段の事情がない場合、財産分与は2分の1ずつとなります。専業主婦でも、妻の支えがあったので夫がそれだけの収入を得られたという考え方に基づいています。住宅ローンが残る自宅不動産の財産分与については、不動産の名義がどちらか、連帯債務者がいるかなどによって状況が変わります。

 Q 年金分割はどうですか。

 A 年金分割には「合意分割制度」と(2008年から始まった)「3号分割制度」の2種類あります。合意分割は、離婚する夫婦の一方、また双方が婚姻中に厚生年金に加入していた場合に適用されます。離婚から2年以内に、当事者の合意か裁判手続きで案分割合を決めて、年金事務所に請求できます。

 3号分割は、08年4月1日以降の婚姻期間中に「第3号被保険者(厚生年金、共済組合に加入している人に扶養されている20歳から60歳未満の配偶者)の期間」がある場合、離婚から2年以内に年金事務所に請求できます。当事者の合意や裁判がなくても簡単に手続きできます。案分割合については、合意分割は最大2分の1まで、3号分割は2分の1と決まっています。

 いずれも婚姻期間中(3号分割は08年4月1日以降の婚姻期間中)の厚生年金の保険料納付記録が対象となります。企業年金や国民年金基金などは対象外となります。

 専業主婦だった妻が離婚した場合、年金分割をするかどうかは経済的に大きく影響します。協議離婚する人の中には年金分割制度を知らない人も多く、制度利用者はまだ1割程度しかいません。離婚後2年以内という請求期限がありますので、忘れないようにしてください。(片山由紀)

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