PR
PR

ヒグマ目撃、札幌で倍増 市街地周辺で繁殖? 専門家「ごみ管理徹底を」

 道内でヒグマの目撃などの件数が増えている。道警のまとめでは、今年上半期の全道での足跡やふんの発見を含めた件数は前年同期比で約3割増。とりわけ札幌市内では本年度に入り、昨年度同期の約1・9倍で推移している。南区の道立真駒内公園の近くでは12、14日と出没情報が相次いだ。専門家は市街地周辺でヒグマが繁殖、定着しているとみて「市街地での対策が必要」と指摘する。

 真駒内公園の周辺には閑静な住宅街が広がる。12日夜にヒグマ1頭が目撃された現場は住宅街にある国道で、近くに小中学校がある。14日にふんが見つかった場所は最寄りの民家から約200メートルしか離れていない。

 15日に公園近くを散歩していた、南区の無職佐々木啓一さん(73)は「街なかだからクマは出ないと思っていた。夜は人通りが少ない道もあり心配」。公園では市民ランナーの姿も目立つ。南区の無職川村淑実さん(76)は「毎日走っているのでヒグマとの遭遇が恐ろしい。仲間と『気をつけないとね』と話した」という。

 真駒内公園にヒグマが出没したことについて、酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)は「豊平川の河畔林などを経て真駒内公園に出没した可能性がある」とみている。

 道警によると、今年上半期の全道での目撃などの件数は564件で前年同期比27%増。札幌市の今年4月1日~7月14日の件数は南区を中心に83件で、記録がある2012年以降の同期間で最多だった14年の48件を上回る。

 1990年に春グマ駆除が廃止されて以降、ヒグマの生息数は全道的に増加傾向とみられる。ヒグマの生態に詳しい道立総合研究機構環境科学研究センター(札幌)の間野勉・自然環境部長によると、6~7月は餌となる草があり、目撃が増えた理由として餌不足は考えにくいという。

 一方、道内では行動範囲が狭い雌が市街地周辺の山林に定着し繁殖しているとみる。さらに、交尾期で発情した雄を恐れ、親離れした若いヒグマが市街地に近づき、目撃情報が増えていると推測する。

 札幌市が恐れるのはヒグマが生ごみなどの味を覚え、市街地に繰り返し出没することだ。6月16日には南区簾舞の住宅の庭で、生ごみから堆肥をつくるコンポスト容器を荒らすヒグマが出現した。市熊対策調整担当係は「札幌でこうしたクマはほとんどいなかった」と危機感を募らせる。間野部長は「ごみは放置せず、回収日の決められた時間に出すなど、クマ対策の教育を徹底すべきだ」と訴える。(津野慶、五十嵐知彦)

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る