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普天間運用停止 前提付けずに行程示せ

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 これは基地に反対する沖縄県民への圧力ではないのか。

 政府と沖縄県は先週、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の負担軽減に関する推進会議の作業部会を10カ月ぶりに開いた。

 政府は4年前、2019年2月までに普天間飛行場の運用を停止する方針を表明した。

 その期限まで7カ月に迫り、今回、県が「運用停止へのスケジュール」と「飛行場の返還期日の確定」を求めたのは当然だ。

 不誠実極まりないのは、この要請に対する政府の答えである。

 運用停止は名護市辺野古への飛行場移設が前提で、翁長雄志(おながたけし)知事が協力しない現状では、その前提は崩れたという認識を示した。

 4年前にはなかった話だ。

 11月の沖縄県知事選をにらみ、辺野古移設に協力しなければ運用は停止しないとの意味に等しい。

 米軍機による危険を一刻も早く解消するのは政府の責務だ。前提を付けずに、運用停止の行程も、返還期日も示すべきだ。

 普天間をめぐっては前回の沖縄県知事選直前の14年9月、菅義偉官房長官が「19年2月までの運用停止」を目指すことを表明した。

 辺野古沿岸部の埋め立てを承認した当時現職の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事を選挙戦で後押しするため、運用停止に向けた政府と県の連携を訴える思惑がうかがえた。

 その知事選では移設に反対する翁長氏が当選した。安倍晋三首相は昨年2月、翁長氏が移設に協力しないことを理由に、運用停止は難しいという理屈を持ち出した。

 作業部会を今回初めて沖縄で開催したのも、4カ月後の知事選を意識したのは間違いない。

 部会には自民党沖縄県連などが知事選への擁立を目指す、宜野湾市の佐喜真淳(さきまあつし)市長も出席した。

 政府は宜野湾市の要望を受ける形で、米軍機の騒音被害に関する米軍などとの協議の場設置を検討する考えを示した。

 これでは普天間の存続が前提となりはしないか。

 この1年に米軍ヘリの窓が小学校に落下したり、米軍機が飛行場外に不時着するといったことが続き、地元の不安は募る一方だ。

 政府は辺野古沿岸部への土砂投入を8月17日にも強行し、移設を既成事実化する構えだ。政府と沖縄の対立は深まるばかりである。

 安倍首相はトランプ米大統領との親密さをアピールしている。ならば、沖縄の人々の思いを踏まえて、普天間返還のあり方を膝詰めで話し合うのが解決への近道だ。

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