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政権の豪雨対応 認識甘く緊張感足りぬ

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 甚大な被害が出ている西日本豪雨で政府・与党の対応に首をかしげる場面が少なくない。国民の生命・財産を守る危機管理への認識が甘いのではないか。

 既に近畿地方で多数の避難指示が出ていた5日夜、東京・赤坂の議員宿舎で開かれた宴会に安倍晋三首相や閣僚、自民党幹部が出席していたことが批判されている。

 首相は今週、災害対応を優先させ予定していた外遊を中止した。

 それは当然としても、与党はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案の成立を目指し、石井啓一国土交通相を参院内閣委員会に出席させている。きのうも審議が行われた。

 河川や道路の復旧を担当する国交相の役割は極めて重い。不要不急のIR法案は成立を断念し、石井氏は災害対策に専念すべきだ。

 一連の対応の背景に、安倍1強政治の下での緊張感の欠如があるとすれば見過ごせない。

 「赤坂自民亭」と呼ばれる党の懇親会には小野寺五典防衛相、岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長らが出席。翌日に行われたオウム死刑囚執行の署名を3日に終えていた上川陽子法相の姿もあった。

 気象庁は5日午後、記録的な大雨の恐れがあると発表していた。

 避難住民は不安な一夜を過ごしていたにもかかわらず、西村康稔官房副長官は宴会の画像をツイッターに投稿した。政府高官としての自覚を著しく欠く行為だった。

 竹下氏は記者会見で「これだけすごい災害になるという予想は持っていなかった」と釈明した。

 5日は九州北部豪雨から1年の日だった。毎年のように起こる異常気象に備える重要性は一層高まっている。「想定外」の言葉は政治家として禁句ではないか。

 参院は被災地支援に「万全の対策」を政府に求める決議を衆院に続き全会一致で採択した。

 災害対策には与野党の垣根を越えて取り組み、臨時国会に提出されるだろう補正予算案などに現場の声を反映させてもらいたい。

 ただ、残念なことがあった。

 参院議院運営委員長の山本順三氏は本会議で決議文を読み上げる際に「今回大きな被害の出た西日本地域、その中にある私の地元愛媛県は大変厳しい状況に置かれている」と前置きした。

 被害が広範囲に及んだのに自身の選挙区だけを強調した発言に、野党が反発したのは当然だ。国会議員の言動には、非常時になおのこと国民の厳しい視線が注がれることを忘れてはならない。

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