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【回答者 塚越朱美弁護士】空き家処分したいが兄と連絡つかず

質問 両親とも15年前に他界し、父名義の老朽化した空き家と土地が残されています。空き家を処分して売却したいのですが、ただ一人の兄が借金を抱えて10年前に失踪し、連絡がつきません。どうしたらよいのでしょうか。

回答 相続財産の処分を行うためには、相続人間で遺産分割協議を行う必要がありますが、相続人の一人が行方不明の場合、遺産分割協議そのものを進めることができません。

 ご相談のケースでは、お兄さんは10年前に失踪したとのことですので、まず、家庭裁判所に対し、お兄さんの失踪宣告の申し立てをすることが考えられます。

 失踪宣告とは、失踪したとされる者が行方不明になってから生死が7年間明らかでない場合に、行方不明になった日の翌日から数えて7年間の期間が満了したときに死亡したものとみなす制度です。

 お兄さんに実子や配偶者などの相続人がもともといない場合には、失踪宣告が認められれば、遺産分割協議を行わなくても、お父さん名義の不動産の処分を行うことができます(妻子はいるが失踪宣告後相続放棄をした場合も同様です)。

 なお、この場合、あなたはお兄さんの法定相続人となりますが、生前に借金を抱えていたとのことですので、お兄さんの相続放棄手続きをするかどうか別途検討することが必要です。

 失踪宣告が認められたものの、お兄さんに妻子がおり相続放棄などをしない場合は、お兄さんの相続人との間で遺産分割協議をすることになります。

 もっとも、このような遺産分割協議はスムーズに進まない恐れもありますし、そもそも失踪宣告の要件を欠くケースや、失踪宣告が出るまで(約1年とされています)待てないというケースもあります。

 このような場合には、家庭裁判所に対し、「不在者財産管理人」の選任申し立てを行うという方法もあります。不在者財産管理人は、裁判所の許可を得て、不在者、つまりお兄さんに代わり遺産分割協議に参加することもできますので、お兄さんが行方不明のままでも、遺産分割協議を進めることが可能になります。

(つかごし・あけみ)

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