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サンマ規制決裂 乱獲防止、中国も協調を

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 8カ国・地域が参加して東京で開かれた北太平洋漁業委員会(NPFC)の会合で、サンマに漁獲規制を導入しようとの日本の提案は、昨年の札幌会合に続いて合意に達しなかった。

 中国が「資源減少の根拠が不明」として反対し、中国と親密なバヌアツも同調したためだ。

 北太平洋のサンマ漁は昨年、深刻な不漁に見舞われた。原因についての見解は分かれているが、漁獲競争にいったん歯止めをかけ、資源回復を優先させるべきだ。

 規制導入こそ見送られたものの、資源管理の必要性に対する各国の理解は深まったと言えよう。中国にも歩み寄りを求めたい。

 サンマは北太平洋の公海と日ロの沿岸を回遊している。

 日本は排他的経済水域(EEZ)内の沿岸漁業が主体で、昨年は半世紀ぶりの記録的不漁だった。道東などで始まった今季の漁も不振が続く深刻な事態だ。

 近年、台湾や中国の大型船が公海での漁獲量を急増させ、日本のEEZ内に回遊するサンマが減ったことが一因とされる。

 中国は6年前に公海サンマ漁に乗り出したばかりだが、昨年の漁獲量は4万8千トンと参入当初の20倍超に達した。

 商品価値の低い小型魚を海に捨てる「洋上投棄」も常態化し、見かけの量を超える乱獲が行われてきたことも看過できない。

 日本の調査では、2008年に461万トンあった北太平洋のサンマの資源量は、16年には178万トンにまで激減した。

 昨年の会合で日本は国・地域別の漁獲枠新設を提案したが、各国の利害が対立し、台湾以外の賛同は得られなかった。

 今回は個別の枠に踏み込まず、公海での漁獲量全体に上限を設けることを提案した。

 前回は反対に回ったロシアと韓国を含む5カ国・地域が「資源減少は明らか」として日本案に賛成したことは評価できる。

 中国は依然資源減少を認めず、海水温上昇に伴う回遊ルートの変化が不漁の原因と主張するが、無理があるのではないか。

 今回の会合で、洋上投棄を禁ずることや、中国が「把握できない」とする資源量についてNPFCの科学委員会が調査することに合意したことは一定の前進だ。

 危機感を共有する国・地域が多数を占めたからだろう。

 日本はさらに中国への働きかけを強め、国際的な資源管理体制の構築を急ぐ必要がある。

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