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日産また不正 自浄能力欠如甚だしい

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 日産自動車で車の検査をめぐる新たな不正が発覚した。

 燃費や排ガスに関する測定値を改ざんするという悪質な行為だ。燃費や排ガスは車を購入する際の重要な判断基準であり、ユーザー軽視も甚だしい。

 日産は昨秋に無資格者に完成検査を行わせていた問題が発覚し、大規模なリコール(回収・無償修理)に発展したばかりだ。

 再発防止を誓ったにもかかわらず、別の不正が今年6月まで続いていたのは驚くほかない。自動車世界大手としての社会的責任を自覚しているのだろうか。

 無資格検査問題を受け、徹底した社内調査を実施したはずだが、今回の不正は見逃されていた。自浄能力を疑わざるを得ない。経営陣はルールを軽んじる企業体質の抜本改善を急ぐべきだ。

 新たな不正は、出荷前の車の一部を選んで実施する抜き取り検査で行われた。社内で設定した基準から外れた測定値を都合のいいように書き換えたりしていた。

 不正は検査した車の半数以上に及び、国内6工場のうち5工場で行われていた。会社ぐるみだとの疑念を持たれても仕方ない。

 日産は国の保安基準を満たしているとしてリコールは行わない方針だ。とはいえ消費者が抱える不安は根深い。客観性のある根拠を示し、説明を尽くす必要がある。

 深刻なのは、SUBARU(スバル)が3月に同様の改ざんを公表した後も、不正が続いていたことだ。しかも、スバルの問題を受けて調査をしなければ、不正は発覚しなかった可能性もある。

 日産は燃費不正で経営危機に陥った三菱自動車を傘下に収めている。品質不正が経営を揺るがすことを十分知っているはずなのに、その教訓が生かされなかった。

 仏大手ルノーから派遣されたカルロス・ゴーン氏の下、日産は生産を拡大してきた。ルノーと三菱自を合わせた3社連合の17年の販売台数は世界2位に躍進した。

 規模拡大を急ぐあまり、安全が軽視されてきたとの指摘もある。経営陣は重く受け止めるべきだ。

 おとといの会見には西川(さいかわ)広人社長も、現在会長を務めるゴーン氏も出席しなかった。不正の責任をどう考えるのかゴーン氏は説明すべきだ。スバルは最高経営責任者(CEO)が引責辞任している。

 車の性能や安全をめぐる不正は後を絶たない。業界全体で企業統治改革に取り組み、不正の連鎖を断たねば、日本経済を支える自動車産業への信用低下は防げない。

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