速報
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虎のごとし

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インドの雨期は6月ごろから始まる。ノーベル賞を受賞したインド人物理学者チャンドラセカール・ラマン博士は、この時期のインドの天気を、空の水門が開いたようだと例えた▼梅雨のある中国でも、特に雨の多い四川省峨眉山周辺では、大雨を「漏天」「天漏」と表現するそうだ(倉嶋厚著「お天気博士の春夏秋冬」)。西日本一帯を襲った豪雨は、漏れるどころか天が破れたかと思わせる。まさに水門を開いたような雨だった▼気象庁は「数十年に1度の大雨」として、最大級の警戒を呼び掛ける大雨特別警報を早い段階で出してはいた。だが、緊急性の認識が不足していたり、夜間の避難をためらったりしたケースもあったのか、結果的に100人を超す犠牲者が出てしまった▼甚大な被害をもたらした原因は、今後詳しく検証されよう。ただ、数十年に1度の大雨が毎年のようにどこかで起きていることを考えると、「この程度の雨なら大丈夫」という過去の経験則に基づく思い込みは捨てた方がいい▼雨を侮ってはならない。「1時間に1ミリの雨」は大したことがないと思うだろう。しかし、1平方メートルに降る雨は1リットル、重さ1キロに相当する。1平方キロメートルなら千トンだ。それが数百ミリも降れば…▼倉嶋さんは「雨を畏れること 虎を畏れるごとし」という中国の詩も紹介している。北海道も大雨の被害を受けたばかりだ。改めて備えを万全に。2018・7・10

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