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小樽海技学校、存続の危機 独法が廃止検討 老朽化も耐震改修困難

 【小樽】船員らを養成する高校相当の国立小樽海上技術学校(小樽市)が存廃問題に揺れている。同校を運営する独立行政法人「海技教育機構」(横浜市)が、老朽化した校舎の耐震化が困難なことなどを理由に廃止を検討。市は存続を求めて代替校舎案を提示している。機構は今年12月にも存廃について結論を出す見通しで、市や地元経済界は存続に向けた働きかけを強めている。

 「海運事業者への就職など地域に密着した歴史のある学校で、小樽市にとって必要な施設。廃止されれば船員を志望する若者の進路を閉ざすことになる」。小樽商工会議所の山崎範夫専務理事は、同校の必要性を訴える。同校は貨物船などの船員を専門に養成する道内唯一の学校でもある。

 存廃問題の発端は、財務省が2017年度に実施した予算執行調査。海技教育機構の予算の使い方を点検した結果、高度な専門教育に特化した短大の運営に重点を置き、耐震改修が困難な高校の廃止を検討すべきだとする方針を示した。

 機構の職員が17年7月に市を訪れ、高校にあたる同校の廃止の検討を伝えた。同校は鉄筋コンクリート3階建ての本館や実習棟などがある。校舎は1976年完成で本体の老朽化が進み、耐震診断をした際に改修工事も困難と判断されていた。建て替えに数十億円かかることも廃止論を強めている。

 市と市議会、小樽商工会議所は17年8月、国土交通相と機構に同校の存続を求める要望書を提出。市などは「入学希望者が減っているわけではなく、需要は高い。財源を理由とした廃止は容認できない」との考えを示す。同校には今春、小樽や札幌、函館などから21人が入学した。

 市は今年5月、存続に向けた代替校舎として、《1》13年に閉校した旧小樽市立祝津小《2》小樽工業高との統合で20年に閉校する小樽商業高―の2案を機構に提示。いずれも校舎は耐震化済みだ。

 ただ、いずれにも課題がある。旧祝津小は小規模で、実習設備を置く実習棟などの新設が不可欠。道立の小樽商業高の跡地利用については、道教委との協議が必要だ。さらに小樽商業高跡地は、市立西陵中と松ケ枝中の統合中学校として使用する方向で調整しており、海技学校の校舎として使うことになれば、中学との複合施設になる。

 市企画政策室の西島圭二室長は「機構が旧祝津小を選んだ場合は実習棟建設費の助成を考えている。小樽商業高を選択した場合は、道教委と交渉する」と説明する。

 機構の船津利孝審議役兼学校教育部長は「20年度の生徒募集をどうするかという問題もあり、決める期限はある」としており、20年度の生徒募集要項を明らかにする12月にも結論を出す見通しだ。

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