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北朝鮮の非核化 本気度示す行動が必要

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 ポンペオ米国務長官はきのうまで平壌を訪問し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の最側近、金英哲(キムヨンチョル)党副委員長らと会談した。

 非核化の履行と検証のため、複数の作業部会を設置したという。

 今後、この作業部会を中心に非核化の実質的な議論が行われることになりそうだ。

 トランプ米大統領と金正恩氏は6月の首脳会談で「完全な非核化」で合意したものの、具体的な方法には触れなかった。

 会談から1カ月近くたち、北朝鮮の非核化は進んでおらず、その姿勢に疑念が広がっている。

 北朝鮮は早急に、非核化の意思を行動で示す必要がある。

 米国も最終目標である「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の実現に向け、北朝鮮への働きかけを強めるべきだ。

 「ポンペオ氏と北朝鮮の担当高官ができるだけ早い日程でさらなる交渉を行う」。米朝首脳会談の共同声明にはこう記されていた。

 だが、首脳会談後、ポンペオ氏が訪朝したのは今回が初めてである。駆け引きを優先して時間を費やすことで、対話の機運を後退させてはならない。

 米国内には北朝鮮が核・ミサイル開発を続けているとの見方が強まっている。

 核兵器の原料となる高濃縮ウランの生産を強化しているとの報道がある。金氏がトランプ氏に約束したというミサイルエンジン実験場の破壊も確認されていない。

 トランプ氏との会談後、金氏は中国との関係強化に力を入れている。訪中を重ね、制裁解除などの見返りを得ながら段階的に非核化を進める方針に支持を取り付けたと言われる。

 実際、中国とロシアは国連安保理で北朝鮮の制裁緩和に道を開く報道声明案を提案した。米国などの反対で廃案となったが、制裁緩和への動きを活発化させている。

 制裁緩和は非核化が前提だ。北朝鮮だけでなく、中国、ロシアも肝に銘じなければならない。

 一方、米政権は非核化のハードルを下げているとも指摘される。ポンペオ氏は北朝鮮に配慮し、非核化を巡る交渉で「行程表を設けるつもりはない」と述べた。

 秋の中間選挙までに具体的な成果を求めているためではないか。

 長く対立を続けてきた米朝首脳間で信頼の構築は欠かせない。だが、完全な非核化が実現しなければ、平和と安定をもたらすことにはならない。トランプ氏はその原則を忘れないでほしい。

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