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文科省局長逮捕 ゆがめられた教育行政

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 東京地検特捜部が、文部科学省の科学技術・学術政策局長を受託収賄容疑で逮捕した。

 私立大への支援事業を巡り、東京医科大が対象校に選ばれるよう便宜を図る見返りに、自分の子を医科大に合格させてもらった疑いが持たれている。

 文科省は入試の不正に目を光らせる立場にある。その幹部が強い権限を悪用し、国費でわが子を裏口入学させたに等しい。

 事実であれば言語道断だ。文科省は徹底した内部調査を行い、再発防止や信頼回復に努めなければならない。

 逮捕された局長が東京医科大側から選定の依頼を受けたのは、昨年の5月ごろとされる。

 当時は文科省の組織的な天下りあっせん問題が国民の強い批判を浴び、官房長だったこの局長も監督責任を問われて文書厳重注意処分を受けていた。

 本来、省全体で襟を正すべき時期に、指導的立場にありながら、不正に手を染めた可能性がある。規範意識の欠如が目に余る。

 贈賄側の東京医科大にも猛省を求めたい。人の命を預かる医師を養成する教育機関が、人材選考のための試験をないがしろにしていいわけがない。

 東京医科大の理事長らが不正を主導した疑いも浮上している。特捜部は事件の全容解明に全力を挙げてもらいたい。

 事件を教訓に、文科省と大学の関係も検証する必要がある。

 問題の支援事業は、私大の特色ある研究などに対して国が費用を助成する制度だ。

 少子化の影響で経営難の大学は少なくない。国の補助金やお墨付きは魅力的に映るだろう。

 支援事業に意義はあるとしても、一方で不正の誘因となるような制度設計上の盲点はないか。対象校の選定方法などについて入念な点検が欠かせない。

 併せて、文科省と大学の癒着を生みかねない国立大学法人への現役職員の出向は廃止すべきだ。

 文科省は、高等教育の無償化や大学入試の新テスト導入など重要な課題を抱えている。あらゆる角度から不正の根絶に取り組まなければ、教育行政への国民の理解や協力は到底得られまい。

 財務省幹部が関与した決裁文書改ざんなど官僚の不祥事が続く。省庁全体に荒廃が広がる危機的な状況と言えよう。

 内閣人事局による人事権の掌握が目を覆う現状の一因とすれば、安倍政権の責任も極めて重い。

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