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<新刊と文庫>「増補新版 沖縄戦546日を歩く」など

<単行本>


◆増補新版 沖縄戦546日を歩く カベルナリア吉田著
 紀行ライターが、地上戦があった沖縄の戦地をルポ。3年前の刊行に、空襲で製糖産業が壊滅した南大東島など離島の戦闘をリポートした「島々の沖縄戦」を加筆。米軍の大部隊が上陸した読谷村やひめゆり学徒の犠牲地など、1944年7月7日のサイパン島陥落からの戦歴をたどり、同時に現在の人々や観光客も描く。(彩流社 2160円)

◆イタリアの小さな村へ 中橋恵、森まゆみ著
 イタリア在住の中橋と編集者の森が、同国で誕生した「アルベルゴ・ディフーゾ」(イタリア語で「分散した宿」)という新たな旅行スタイルを豊富な写真で紹介。「アルベルゴ・ディフーゾ」は、村内に散らばっている部屋やレストランを行き来しながら暮らすように滞在すること。漁村や山村の人たちと交流でき、団体旅行では味わえない素朴さが魅力という。(新潮社 1728円)

◆女子刑務所ライフ! 中野瑠美著

 覚醒剤で逮捕4回、通算服役12年の著者が、もう経験したくない女子刑務所生活をぶっちゃける。はびこるイジメ。100人近い女囚が浴室内でシャワーの奪い合い。運動会での大乱闘や歯痛になっても3カ月は医者に診てもらえないなど、リアルな女子ムショ事情が語られる。ちなみに著者は、元収容者の就労支援などを手掛け、更生しているとのこと。(イースト・プレス 1404円)


◆あいまいさを引きうけて 清水眞砂子著
 翻訳者・児童文学者によるエッセーや対談をまとめた一冊。鶴見俊輔との対談では思想と文学を巡る含蓄深い話を繰り広げ、英国の児童文学作家ピアスへのインタビューでは日常に潜むドラマに光をあてる文学の可能性を語る。著者が翻訳した「ゲド戦記」の作者で今年亡くなったル=グウィンへの追悼文も収録。(かもがわ出版 2376円)

◆女は「政治」に向かないの? 秋山訓子著

 決断力があり、女性からも支持される女性政治家7人の生き方を新聞社の政治記者が密着取材。総理大臣を目指すと公言した総務大臣の野田聖子、市民を大事にする政治を掲げる立憲民主党国対委員長の辻元清美。その他、小池百合子東京都知事や中川智子宝塚市長など、彼女たちはなぜ政治家を志し、なにを目指しているのかを探る。(講談社 1512円)

<文庫・新書>


◆開高健ベスト・エッセイ 開高健著、小玉武編
 味覚から極限状態での食べ物の話に入っていく「最後の晩餐(ばんさん)i」や、釧路や積丹の旅行記が意外な方向に展開する「困る」など、読者を強烈に惹(ひ)きつけるエッセー選集。小説家、ルポライターの開高における、エッセーの位置づけを考察した編者の解説付き。(ちくま文庫 1026円)

◆甲賀三郎 大阪圭吉 ミステリー・レガシー ミステリー文学資料館編
 ミステリーの専門図書館による編さん。戦前の本格探偵小説の重鎮甲賀の代表作「琥珀のパイプ」や、大阪のデビュー作「デパートの絞刑吏」など、切れ味鋭い作品を紹介。ともに終戦前に没し、戦後の活躍が見られなかったことが残念だ。(光文社文庫 950円)

◆戦場放浪記 吉岡逸夫著
 多くの紛争地を取材し今年2月に亡くなったジャーナリストが、イラク戦争、ルワンダ内戦などでの私的体験をもとに語った戦争取材論。青年海外協力隊員から新聞社のカメラマンになり、43歳で記者に転向した異色の経歴を持つ著者ならではの自由な視線が躍動する好著。(平凡社新書 907円)

◆燃える平原 フアン・ルルフォ著
 ラテンアメリカ文学の最高峰と言われる長編小説「ペドロ・パラモ」を書いたメキシコの作家。もう一つの代表短編小説集「燃える平原」(1953年)が90年に翻訳出版され、今回はその修訂版。メキシコの荒野で、時に理不尽な暴力にも、たくましく生きる農民たちの姿を淡々と描く。杉山晃訳。(岩波文庫 842円)

◆誹謗 カーアン・ヴァズ・ブルーン&ベニ・ブトカ著

 コペンハーゲン郊外で白骨死体が見つかった。骨学専門の法医学者リネアは、遺体は中東出身者と鑑定。死体発見の報道がされると、2人の男が動きだした…。デンマーク発の長編ミステリー小説。長谷川圭訳。(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)

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