PR
PR

利尻ヒグマ痕跡発見1カ月 緊張の日々、島民に疲労感 SNS上にデマも 対応の長期化懸念

 【利尻、利尻富士】宗谷管内の利尻島で106年ぶりにヒグマの痕跡が5月30日に確認されてから1カ月。利尻、利尻富士両町は、万一に備えて捕獲の手続きを進め、慎重に準備を進めている。観光業などに目立った影響は出ていないが、日々の移動や畑仕事などに緊張を強いられる島民らには疲労感が広がり、対応の長期化を懸念する声が聞かれる。

 「ごみは回収車の音がしてから出すようにしている。夜、歩くのも何だか気持ち悪い」。利尻富士町鴛泊のパート従業員立脇千代美さん(59)はヒグマに会わないよう気を使う。

 ヒグマの痕跡は5月30日に島南部の海岸で足跡が見つかり、その後、ふんや足跡、植物を食べた痕など20カ所以上が相次いで確認された。島内は平地が少なく、市街地は山林に接する。6月15日に南西部の林道を歩くヒグマの姿が固定カメラで撮影されると、島民の緊張は一気に高まった。

 ヒグマが近くにいるかもしれないという恐れが、暮らしに影を落とす。利尻富士町鬼脇の主婦小林チエさん(85)は畑で作業する際、「しゃがみこむとクマが近づいても周りの草で分からない。いざという時にすぐ逃げられるよう、腰痛だけど、立ったまま腰を無理に曲げて作業している」。

 島民は、悪質ないたずらにも翻弄(ほんろう)されている。会員制交流サイト(SNS)上で27日、「沓形の森林公園に出たらしい」とのコメントが添えられたヒグマの写真が広まった。利尻町職員が島西部の公園に駆けつける騒ぎになったが、写真はテレビで流れた、全く関係ない映像を加工したものだった。職員は「不安をあおるなんて、とんでもない」と憤る。

 利尻島には天皇、皇后両陛下が8月上旬に訪問予定。利尻富士町総務課の松谷大輝課長補佐は「何かあってからでは遅い。できる限りのことをするしかない」と、ヒグマの動向を慎重に見極める日々が続く。

残り:335文字/全文:1105文字
全文はログインまたはお申し込みするとお読みいただけます。
どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る