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多様な働かせ方

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ときはバブル経済前夜。経済界は原則禁止されてきた派遣労働の解禁を強く国に求めた。これを受けて1985年に制定されたのが、労働者派遣法だ。労働者保護の観点から、適用対象を通訳や速記など専門性の高い13業務に限定した。「自由な働き方ができる」として、当時は歓迎する向きもあった▼ところが対象は次第に拡大され、99年に原則自由化、2004年には製造業への派遣も解禁された。結果的に雇用の短期化、不安定化を加速させ、格差社会の一因になったことはご存じの通り▼きのう成立した働き方改革関連法に盛り込まれた高度プロフェッショナル制度も、高収入の一部専門職に限り適用される。だが、「派遣法」のように、適用対象業務がなし崩しに拡大されることはないだろうか▼具体的な業務は省令で定めるとする。けれど、省令は国会の議決は必要ない。安倍晋三首相は「多様な働き方を可能にする」と言うが、自分の都合で働き方や仕事量を選べる人がどれほどいるとお考えか▼年収要件は1075万円以上と想定されている。しかし、これもどうなるかは分からない。引き下げられないと誰が断言できるだろう。「自分は無関係」と思わない方がいい▼「多様な働き方」がいつ、企業に都合の良い「多様な働かせ方」に変わるか分からないのだ。「派遣法」と同じ道をたどらないよう、厳しく監視していくしかない。2018・6・30

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