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海のプラごみ 危機感持ち積極対策を

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 深刻な海洋汚染の要因であるプラスチックごみの削減は、国際社会の喫緊の課題だ。特に、微粒子状のマイクロプラスチックは、生態系への影響も大きい。

 ところが、日本の姿勢は驚くほど消極的と言わざるを得ない。

 今国会で初めてマイクロプラスチック対策を盛った改正海岸漂着物処理推進法が成立したが、規制ではなく、事業者に排出抑制の努力義務を課すにとどまった。

 相前後して開かれた先進7カ国(G7)首脳会議では、米国とともに、プラスチックごみ削減の数値目標策定を促した「海洋プラスチック憲章」への署名を拒み、批判を浴びている。

 本来、海洋国家として、海の環境を保全する国際的な動きを主導すべき立場にあるはずだ。

 政府は今後、使い捨て容器包装の削減などを柱とする「プラスチック資源循環戦略」を策定する方針だ。後ろ向きの姿勢を改め、実効性ある具体策を早急に示さなければならない。

 海のプラスチックごみを巡っては、海鳥やウミガメがレジ袋を誤食するといった例が知られる。

 近年、問題視されているのは、波や紫外線で5ミリ以下に砕けたマイクロプラスチックだ。洗顔料などに添加される研磨剤や、化学繊維のくずも含まれる。

 これが厄介なのは、回収が困難な上、ダイオキシン類などの有害物質を吸着する性質があり、食物連鎖の中で蓄積が進む点だ。

 魚や貝からの検出例も広がり、人体への影響が懸念される。

 既に、欧州連合(EU)は、30年までに使い捨て容器包装をやめる方針を決め、新たな規制案を加盟国に示した。インドや台湾なども全廃方針を打ち出している。

 これに比べ、日本の対応の鈍さは際立っている。

 「海洋プラスチック憲章」の署名を拒んだのは、規制に消極的とされる米国への追随だろう。

 政府は「国民生活・経済への影響を精査する」と言うが、この問題は近年、G7首脳会議でもたびたび取り上げられてきた。

 調整の時間は十分あったはずで、政府の言い訳にはほとんど説得力がない。そもそも、日本が使い捨てプラスチック製品の使用量が米国に次いで多いことの自覚も、欠いているのではないか。

 プラスチック製品は社会の隅々に行き渡っており、使い捨て文化から脱却するには、暮らし全体の見直しが不可欠だ。消費者もまた意識改革を求められている。

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