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直下型の大阪北部地震、道内でも危険性 主要な活断層9カ所 札幌は伏在断層 死者8200人試算も

地震で水道管が破裂し陥没した道路=18日午後0時15分、大阪府高槻市
地震で水道管が破裂し陥没した道路=18日午後0時15分、大阪府高槻市
直下型の大阪北部地震、道内でも危険性 主要な活断層9カ所 札幌は伏在断層 死者8200人試算も
直下型の大阪北部地震、道内でも危険性 主要な活断層9カ所 札幌は伏在断層 死者8200人試算も
直下型の大阪北部地震、道内でも危険性 主要な活断層9カ所 札幌は伏在断層 死者8200人試算も

 大阪府北部で18日、震度6弱を観測した地震は、浅い地下の活断層がずれる「直下型」だった。地震の規模が小さくても揺れが強く、被害が拡大するのが特徴で、今回と同じ程度の震度で倒壊の恐れがある住宅は道内に約37万戸ある。道内は主要な活断層だけで9カ所あり、札幌周辺には地表から分かりづらい「伏在(ふくざい)断層」があるとされる。専門家は「都市直下型の地震は、いつ道内で起きてもおかしくない」と指摘し、住宅の耐震化などの備えを急ぐよう呼び掛ける。


 今回の地震規模はマグニチュード(M)6・1で中規模クラスだったが、倒れたブロック塀の下敷きになるなどして4人が死亡、300人以上が負傷した。北大地震火山研究観測センターの高橋浩晃センター長(地震学)は「震源が、施設やライフラインが集中する都市直下で浅かったため、被害が大きかった。直下型による都市の脆弱(ぜいじゃく)性が表れた」と話す。

 政府の地震調査研究推進本部は、道内の主なものだけで9カ所の活断層を確認。このうち黒松内低地断層帯(後志、渡島管内)は、30年以内にM7以上の大規模地震が起こる確率が2~5%と全国でも最も高いランクに位置付けられている。また札幌市は札幌周辺に3カ所の伏在断層があると推定する。伏在断層は浸食や開発行為などによって地表で確認できなくなった活断層で、人工地震による調査などで存在が推定できる。

 高橋センター長は「規模の小さい地震はより高い頻度で発生する」と強調し、事前の備えとして「建物を耐震化し、落下や倒壊の恐れがあるブロック塀や看板も点検が必要」と訴える。

 道内の過去の大地震は史料に乏しいが、1834年に発生した石狩地震は直下型とみられ、札幌周辺では地震による液状化の痕跡が見つかっている。

 札幌市は、札幌周辺の伏在断層による地震の最大震度を7と想定し、厳冬期なら死者は最大で約8200人に上ると試算。市危機管理対策室は「今回の地震であらためて地震はどこでも起き得ると痛感する。今後見えてくる課題を十分参考にしたい」とする。

 旭川市は震度6強の直下型地震発生を想定して対策を検討。市防災課は「旭川は地震が少ないとされるが、危機意識を持ってもらうため、講習を通じて市民に啓発を続ける」としている。(川崎学、吉田隆久)

■地震の断層 特定できず 政府調査委 「有馬―高槻」など挙げる

 大阪府北部で18日朝に最大震度6弱を記録した地震を受けて、政府の地震調査委員会(委員長、平田直東京大教授)は同日、臨時会合を開き、地震が発生した原因や今後の見通しを議論した。地震が起きた活断層について統一見解はまとまらなかった。

 調査委は、マグニチュード(M)が6・1と比較的小さく、地下の断層のずれが地表に及ばず、観察が難しいことを理由に挙げた。地表にずれが出るのはM7前後からとされる。地下の断層面が複雑に折れ曲がっている可能性もあるという。

 地震との関連が疑われるとして、神戸市北部から大阪府高槻市に延びる「有馬―高槻断層帯」や大阪府内を南北に走る「生駒断層帯」、「上町断層帯」の名前を挙げた。

 平田委員長は記者会見で「(震源付近は)地表に現れている活断層が多く、密度も高い。見えないが、地震を起こす断層も地下にたくさんあるだろう。今回の地震が、どれに対応しているのかを特定するのは難しい」と説明した。

 調査委によると、震源の近くは地盤が軟らかい平地で、地下の浅い場所でM6程度以上の地震が起こると強い揺れで被害が拡大しやすい。

 調査委メンバーの青井真防災科学技術研究所センター長によると、今回の地震は小刻みな揺れが強かったが、木造の建物が影響を受けにくい種類だったので、1995年の阪神大震災のような住宅の倒壊にはつながらなかったという。

■全国で起きうる

 鷺谷(さぎや)威名古屋大教授(地殻変動学)の話 観測データからみて、大阪府を南北に走る「生駒断層帯」が関係している可能性がある。地震が起きた地域には淀川があり、河川で運ばれた土砂が積もった軟らかい地層があると、地下の活断層が覆われて見つけにくくなるほか、揺れが増幅されやすい。日本列島の内陸部では(今回の地震と似た)東西方向の力がかかり、長い時間をかけてひずみが蓄えられたのではないか。今回と同規模の地震は、活断層の有無にかかわらず、全国どこで起こってもおかしくない。

■地盤弱く被害大

 地震調査委員会の委員の加藤愛太郎東京大准教授(地震学)の話 活断層に関連した地震で三つの断層帯がちょうど交わっているところで起きた。一連の地震のデータを解析すると、断層が水平方向にずれる「横ずれ型」や、上下方向にずれる「逆断層型」が混在していて、どの活断層の地震かを特定できなかった。地震の規模はそこまで大きくなかったが、河川が近くにある地盤が弱い平野で、人もたくさん住んでいたので被害が大きくなってしまった。

■細かな揺れ特徴

 入倉孝次郎京都大名誉教授(強震動地震学)の話 大阪の都市部がある海沿いは地盤が弱いが、地震で被害が集中したのは内陸で、それほど地盤が弱い場所ではないと思う。地盤の影響が大きいとは考えていない。地震の観測データを見ると小刻みな揺れが強かったようで、こうした揺れに弱い、耐震性の低い木造の建物や、鉄筋が十分入っていないブロック塀などに被害が集中したようだ。震源の近くでは小刻みな揺れが強くなる特徴がある。1995年の阪神大震災で木造家屋に大きな被害が出たが、今回はもっと細かな揺れが強い特徴がある。ただし、震源から離れた場所ではもっとゆったりした揺れの影響が出たかもしれない。


 <ことば>直下型地震 1995年の阪神大震災のように、都市部などの直下で断層がずれ動いて発生する地震。浅い所で起きるため、地震の規模が比較的小さくても地表が大きく揺れ、被害が拡大することがある。過去に繰り返し地震を起こした断層は活断層と呼ばれる。一方、2011年の東日本大震災や近い将来に起きる可能性が高い南海トラフ地震は、海側プレートが陸側プレートの下に沈み込む境界で発生し、海溝型地震と呼ばれる。

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