PR
PR

若者照準「縄文ブーム」世界遺産登録後押しに

 「縄文」をテーマにしたフリーペーパーや本の刊行が国内で相次いでいる。いずれも縄文時代の文化や世界観を現代人の生活、生き方に重ね合わせているのが特徴だ。謎が多いからこそ、想像を膨らませて楽しめる-。従来の考古学にとらわれない自由な縄文の見方が若い世代を中心に広がっている。新たな“縄文ブーム”が、青森県などが目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録の後押しとなるか?

 おしゃれな女性が土偶のポーズを取る、ファッション誌のような表紙が目を引く。「縄文ZINE(ジン)」(ニルソンデザイン事務所発行)は、2015年に創刊した「縄文」がテーマのフリーペーパー。火炎土器、貝塚、アイヌといった特集のほか、現代じみた縄文人が会話する「立話、最近の縄文人」や漫画などの笑える企画も。昨年1月には青森県の委託を受け、青森の特集号も発行した。

 現在は年2回のペースで毎回3万部を発行し、全国の博物館や書店、飲食店などで配布している。ターゲットは、従来の縄文ファンには少ない20~30歳代の男女だ。

 編集長は、東京都でデザイン事務所を経営する望月昭秀さん(46)。「縄文はダサい、古い、お勉強という世間の思い込みに、思いっきり対抗しようと思った」といい、デザインや写真、イラストにもこだわる。「縄文時代の楽しみ方は千差万別。何しろ他の時代のように、事件や人物で読み解くことができないから」と魅力を語る。

 縄文人が現代人の悩み相談に答える、望月さんの単行本「縄文人に相談だ」(国書刊行会)は、多くの新聞や雑誌で取り上げられるなど話題に。7月にはビジネス書「縄文力で生き残れ」(創元社)も刊行予定だ。

 一方、県内でも今春、縄文のフリーペーパーが生まれた。「あおもり縄文女子」(県世界文化遺産登録推進室発行、総合企画・協同)のターゲットは女性。赤をポイントに使ったメーク、長い髪を「お団子」にまとめたヘアアレンジ、貝や天然石のアクセサリーなど、現代の女性が取り入れられる縄文ファッションを専門家が提案した。

 同誌の企画・取材をした青森市の企画家・シマナカヤストモさん(48)は「縄文と現代は似ている。どちらも平和な時代で、おしゃれをする文化があることに着目した」と話す。同誌は1万部作製。「かわいい」と評判で、県外からも問い合わせがあるという。

 県世界文化遺産登録推進室の一戸佳子主査は「縄文愛好家のツイッターなどでは『青森は縄文の聖地』と言われている。県内の人も縄文遺跡を自分たちのものと捉え、世界遺産になるんだという思いを持ってほしい。縄文フィーバーが広がり、さらに盛り上がっていけば」と期待を込めた。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る