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「将棋少女」夢つかむ 渡部愛・新女流王位

 女流棋士を夢見たかつての将棋少女が、夢の舞台で栄冠をつかんだ。13日、徳島市で行われた女流王位戦5番勝負(北海道新聞社主催)第4局で勝利し、道内出身女流棋士として14年ぶりとなるタイトルを獲得した帯広出身の渡部愛(わたなべまな)新女流王位(24)。道内出身の先輩たちに支えられての悲願達成に「期待に応えたいという思いが強かった。本当に感謝したい」と感慨深げに語った。

 中学3年で稚内出身の中井広恵女流六段が塾長を務めた日本女子プロ将棋協会(LPSA)の「中井塾」に参加し、腕を磨いた。中井女流六段は「筋のいいきれいな将棋で、光るものがあった。プロになるならタイトルを目指さないとダメだよ、と繰り返し言いきかせた」と振り返る。

 19歳でLPSAから女流3級の認定を受けたものの、日本将棋連盟と認定ルールが異なるため両団体が対立。一部の公式戦に出られない苦しい時期もあったが、母親から「生きて行く上で、これも勉強。乗り越えられれば強くなれる」と励まされ、精進した。

 翌年に全棋戦出場が認められると着実に力を付け、段位を上げた。2年半前からは札幌出身の野月浩貴八段(44)の指導を仰ぐ。今回の女流王位戦挑戦が決まってからは、里見香奈女流王位の得意戦術への対策を徹底したという。

 自身がかつて3度獲得した女流王位を“教え子”が手にしたことについて、中井女流六段は「(北海道で対局がある)女流王位戦は道内出身者にとって特別な存在。さらに棋力を付け、もっともっとタイトルを取ってほしい」。野月八段は「男性棋士のレベルを目標にしてきた。彼女の努力が実を結んだ」とたたえる。

 初タイトルを獲得し、今後は自らが目標とされる立場となる。渡部新女流王位は「身の引き締まる思い。もっとしっかり将棋をがんばりたい」。周囲への恩返しのためにも、さらなる飛躍を誓った。(原田隆幸)

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