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成人、18歳に 世論に耳を傾けたのか

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 成人となる年齢を18歳に引き下げる改正民法がきのう、参院本会議で可決、成立した。

 成人年齢を20歳と定めた明治時代以来、約140年ぶりに大人の定義が変わる。

 引き下げについては、国民の幅広い理解が得られたとはまだ言い難い状況にある。

 にもかかわらず、十分な国会審議を経ずに改正法が成立したのは極めて残念だ。

 施行は2022年だが、政府は拙速に事を進めることなく国民の声に真摯(しんし)に耳を傾け、若者を保護する法整備などにしっかりと取り組まなければならない。

 選挙権年齢は既に18歳以上に引き下げられており、18歳成人には国内法に統一性を持たせる狙いがある。

 しかし、機械的な線引きには違和感を覚える。とりわけ気がかりなのは、消費者被害が広がりかねないことだ。

 社会であまり経験を積んでいない若年層は、ただでさえ悪徳業者の標的になりやすい。

 未成年者はこれまで、保護者の同意がない契約は取り消せるよう法律で守られてきたが、18、19歳が成人扱いになると、被害のリスクが低年齢化する恐れがある。

 民法改正に伴い、デート商法などの不当な契約を取り消せる改正消費者契約法が成立したものの、被害防止策として万全とは言い切れない。

 国会が今回、付帯決議で被害の防止や救済を図る法整備を政府に求めた点はうなずけよう。18、19歳に限らず、若年層を広く対象にしてほしい。

 高校や大学での消費者教育にも一層力を注ぐ必要がある。

 同時に、18、19歳の自立を支える環境整備も欠かせまい。

 政府は、ブラック企業やワーキング・プアといった雇用の不安定にも目を向け、改善に努めてもらいたい。

 飲酒や喫煙、公営ギャンブルの解禁年齢は現行の20歳が維持される。健康への影響や依存症を考えれば当然である。

 見過ごせないのは、18歳成人に合わせて少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満とする案が、政府内で検討されていることだ。

 少年は成長過程にあり、事件を起こしても更生できる可能性が高い。だからこそ、現行法は20歳未満について、刑罰を科すよりも矯正教育や保護を重視している。

 こうした法の理念を忘れてはならない。引き下げには反対する。

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