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公立高配置計画 共倒れ回避へ、道立、町立垣根越え 女満別・東藻琴統合

 道教委が5日公表した公立高校配置計画案には、オホーツク管内大空町の道立女満別と町立東藻琴、十勝管内幕別町の道立幕別と私立江陵高の統合という設置者の垣根を越える二つの再編整備が盛り込まれた。少子化による「共倒れ」を防ぐ動きが奏功した一方で、石狩学区などへ生徒が「流出」している空知管内南幌町の南幌は募集停止となり、高校存廃を巡って明暗が分かれた。

 女満別と東藻琴による統合は道立高と市町村立高が一緒になり、市町村立で運営される初めてのケース。人口の少ない東藻琴側の住民が反発するなど町民の合意形成は難航したが、当初計画から1年遅れで実現した。大空町の渡辺国夫教育長は「この1年で学校運営などに関する町民との議論が深まった。結果的に地域の意向に沿った案を示してもらった」と安堵(あんど)する。

 東藻琴側住民の態度が軟化したのは昨年12月。主な授業を東藻琴の校舎で行い、女満別の校舎では東京農大との連携や部活で利用する案を町教委が提示し、話が進展した。反対していた住民団体の元代表吉井順一さん(71)は「町教委の構想に納得している。地域と密着した新たな学校づくりに携わっていきたい」と話した。町教委は7月にも町全体で新設校を支える仕組みを考える検討委員会を設置し、統合準備を本格化させる。

■道立幕別は私立江陵と

 幕別町の公立と私立の枠を超えた統合は、町が旗振り役となって道教委に統合を要望してきた。飯田晴義町長は「町の思いを理解してもらえた。子供や保護者に魅力ある新設校となるように支援していきたい」と歓迎した。

 新設校とした理由について道教委は「両校の伝統を踏まえた教育課程の編成が必要なことからも新設校が望ましい」とする。

 今後の枠組みが固まり、幕別の吉田光利校長は「両校と町の思いが一つになった高校となるよう準備を進められる」、江陵の若宮栄校長も「来年度に向けクラブ活動など生徒の生活に関わる部分を協議していきたい」と話し、再編に向けた調整を本格化させる考え。

■募集停止、南幌は落胆

 一方、募集停止する南幌は入学者の減少傾向が続く。2013年度の90人から右肩下がりになり、18年度は10人と過去最少まで落ち込んだ。18年度は町内の高校進学者58人のうち、南幌に進学したのは3人。残りは江別市や北広島市、岩見沢市などの高校に流れた。道教委は「進学できる高校が町外にもある」と募集停止の理由を説明する。

 ただ、高校は地域の中核施設であり、同校OBで南幌町の三好富士夫町長は「厳しい状況は認識していたが、募集停止案は極めて残念」と肩を落とした。山口浩幸PTA会長も「入学者数が減り危機感はあった。母校がなくなるのはやはりさみしい」と話す。

 道内の高校再編事情に詳しい北陸大の藤岡慎二教授(経営学)は「高校がなくなれば地域の衰退が加速する。市町村が主導して統合を進め、新しい学校では地域課題を解決する授業を取り入れれば、地元を盛り上げる人材も育つ」と話している。(国乗敦子、鰐渕小百合、田中雅章)

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