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<三笠 間もなく開店 高校生レストラン>上 調理、接客、販売 準備に熱

 今年3月、市立三笠高の調理室においしそうな甘い香りが漂っていた。「もっとザクザクした食感がいいよね」「膨らみが足りない」。できたてのシュークリームを前に、真っ白な実習服とコック帽姿の製菓部の生徒が熱心に話し合う。

 生徒が試作したのは7月22日に開業する同校研修施設「みかさクッキング ESSOR(エソール)」のカフェで提供する菓子だ。同校向かいに建設した施設では製菓部のカフェのほか、目玉となる道内初の「高校生レストラン」を調理部が運営する。土・日・祝日と長期休暇に営業し、生徒自ら厨房(ちゅうぼう)に立ち、接客したり販売したりする。

■部活で技磨く

 「クリームはカスタードだけだと重たいでしょう?」。製菓部顧問の鈴木多恵教諭が助言すると、食感や風味を変えるアイデアが次々と出てきた。開業時は約10種の洋菓子を並べる。部長の村木宏寧(ひろな)さん(17)は「目を引く季節感あるケーキを目指します」。

 かつて炭鉱で栄えた三笠市。最盛期は約6万人だった人口は炭鉱閉山で減少し、現在は8700人弱に落ち込んだ。地域がさびれる中、市は2012年、道立の三笠高を市立に移管。食の専門家を養成する道内唯一の食物調理単科高にした。

 空知管内をはじめ全道各地から毎年40人が入学し、調理師、製菓両コースでの実習に加え、製菓部、調理部、地域連携部の三つの部活動で技を磨く。卒業後の進路はレストランやホテルなどへの就職や専門学校、大学への進学など幅広い。

■責任感で成長

 エソールの開業が近づくにつれて、準備に熱が入る。同校調理部が、三笠市中心部にある食堂を借りて、15年11月から月1、2回のペースで営業するレストラン「まごころきっちん」も大切な訓練の場だ。

 「いらっしゃいませ!」。午前11時に開店すると、生徒たちの元気な声が響く。5月20日はすぐに約30人の客で満席になった。献立は、だしの利いたきつねうどんなど8種類。営業日は午前8時から下ごしらえする。仕込み表を見ながら手順を確認。「だし、合わせた?」「牛肉しぐれ煮の準備終わりました」―。2、3年生の部員34人が交代で切り盛りする。牛丼とだし巻き卵を食べた札幌市の40代の会社員男性は「おいしかった。新しい施設にもぜひ行きたい」と笑った。

 「料理を提供する責任感が自分の成長に役立った」と3年生の林田執以(しゅうい)さん(17)。営業が終わるたび、反省点を洗い出し、改善につなげる。「エソールでも部員みんなで店を回せる」

 全道から志願者を集める「人気校」となった三笠高。だが、これまでの道のりは平たんではなかった。(岩見沢総局の山口真理絵が担当し、3回連載します)

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