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<怒りのコントロール術 長縄史子>1 「6秒」待って 深呼吸などで切り抜け

 「子どもがなかなか起きない、イラッ」「夫が何もしてくれない、ムカッ」「ゴミの出し方が悪い、カチン」「私だって忙しいのに、ブチッ」。そして、ドッカ~ン! ミドル世代にとって、怒りのタネは至る所に転がっています。

 怒った後、ドッと疲れたり、言い過ぎて後悔しているとしたら…それは、適切な怒り方をしていないサインです。怒りに振り回されなくてすむ方法がありますよ。「アンガーマネジメント」と呼ばれ、子どもから大人までできるイライラと上手に付き合う心理トレーニングです。

 不満や怒りの感情は、攻撃性をもって弱いところへと向かっていきます。上司から部下、親から子ども、上の子から下の子、下の子は外で他の子にと連鎖していきます。

 これはドメスティックバイオレンス(DV)や虐待、いじめや体罰、パワハラと同じ構図だったりします。身近な関係であればあるほど「わかってくれるはず」「言うことを聞くはず」という思いがあるため怒りをぶつけやすいのです。実は「怒り方」は親や周りのコピー。自分や大切な人を傷つけずにより良い関係をつくっていくためにも、負の連鎖は断ち切らなければなりません。

 イラッとした時、絶対にしてはいけないことがあります。それは反射的に言い返す、やり返すこと。感情に火をつける“導火線”が短い人は、まずは反応しないで「6秒」待ちましょう。諸説ありますが、怒りの感情のピークは長くて6秒と言われています。ついカッとなって怒鳴ったり手を上げたりしないため、とっさに6秒待てる切り抜け術を紹介しますね。

 まずは「深呼吸」。怒っている時は心拍数も血圧も上がって“戦闘モード”になりやすいのです。ゆっくりと吐き切る呼吸をすることで副交感神経が働いてリラックスできますよ。次に「グラウンディング」。身近なモノ…例えば着ている服や居間のカーテン、カップなどをじっと観察します。色は?形は?材質は?大きさは?と意識をくぎ付けにすることで怒りを大きくさせずにすみます。

 「コーピングマントラ」と言って落ち着く言葉を唱える方法も。イラッとしたら「大丈夫」「たいしたことはない」など気持ちが静まる言葉を心の中で唱えることで、怒りの勢いが弱まります。ケンカがエスカレートする前に、いったんその場を離れる「タイムアウト」も効果的です。ただし捨てゼリフを吐いて出ていってはダメですよ。冷静に仕切り直しをするための方法ですので、タイムアウト中は怒りを思い出すことやお酒、運転は控えてストレッチや散歩などリラックスして過ごしましょう。

 怒りに振り回されないように今日から「6秒!」を合言葉にしてみてくださいね。次回もすぐにできるテクニックをご紹介します。お楽しみに。

 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事の長縄史子さんに、ミドル世代の家庭や職場での「怒り」の上手なコントロール術を解説してもらいます。(月曜に5回連載します)

 <略歴>ながなわ・ふみこ 福岡市生まれ、札幌市育ち。大学院で刑事法を学び、各種専門学校の講師を経て、2016年から現職。著書に「マンガでわかる 怒らない子育て 自分からできる子に育つ」(共著)ほか。帯広市在住。

 <ことば>アンガーマネジメント 1970年代に米国で誕生した怒りと上手に付き合う心理トレーニング。日本アンガーマネジメント協会は全国で研修などを行っている。協会の北海道支部も札幌と帯広で不定期に親子向けのイベントを開催している。

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