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大転換期の自動車産業 成功にあぐらかかず挑戦 自動車工業会会長・豊田章男さん

 自動運転技術や電気自動車(EV)の実用化が急速に進み、100年に1度の変革期と言われる自動車業界。二輪車や商用車も含むメーカー14社でつくる日本自動車工業会(自工会)の会長に就いたトヨタ自動車の豊田章男社長(62)に、今後の展望や税制改正の考え方を聞いた。(聞き手・権藤泉)

 ――電動化の現状をどうみていますか。

 「日本の自動車のうち、EV、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車を合わせると全体の30・6%。電動化率はノルウェーに次いで世界2位です。各メーカーで得意分野は違いますが、日本全体で見ればあらゆる車種がそろい、国際的な競争力も高い。課題は、新たな競争相手になりつつある新興国メーカーやハイテク企業の開発スピードにどう対応するか。過去の成功体験にあぐらをかかず、挑戦を続けなければいけません」

 ――自動運転技術の実用化も進んでいます。

 「メーカーにとって、自動運転の目的はあくまでも交通事故を無くすこと、そして全ての人に移動の自由を提供することです。あるパラリンピック選手に『交通事故に未来を奪われたが、未来をつくってくれるのも自動車だ』と言われたことが印象に残っています。安全な交通社会を実現するには、自動運転技術だけでなく、交通ルールやインフラの整備も重要。当事者としてしっかり関わりたい」

 ――若者の車離れにはどのように対応しますか。

 「私は『モリゾウ』の名でレーシングドライバーとしても活動しています。車の楽しさや役割を積極的に発信したい。自工会主催の東京モーターショーは来場者数こそ減っていますが、家族連れは増えています。次回は東京五輪・パラリンピックの前年でもあり、未来の交通社会への期待がより膨らむような場にしたい。こうした取り組みを通じて、国内の年間自動車生産台数を現在の900万台から1千万台に回復させることが目標です」

 ――台数を増やす目標に相反するように、車を所有せずシェア(共有)する流れが加速しています。

 「使い方は変わっても、車が移動手段の中心であることは変わりません。メーカーは魅力的な車づくりを目指す。車によって人々が笑顔になれるなら、シェアでもいいと思います。競争相手やピンチと捉えるのではなく、新しいチャンスとして前向きに捉えたいです」

 ――自動車に関する税制の改正にも意欲的です。

 「日本の自動車税制は複雑で、負担額も大きい。年末の税制改正議論に向け、自工会として制度の簡素化や負担減を求めます。負担低減で、買い替えサイクルが早まることも期待しています。『自動車税が減ると地方財源が減る』との批判もあるでしょうが、各地のドライバーのためになることなので理解してもらえたらと思います」

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