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<第4部 幌別かいわい>7 複合商業施設 住民集うアイデア次々

 地域の人が集う、居心地の良い場所を目指し、日々知恵を絞っています。

 幌別中心部の複合商業施設「アーニス」(登別市中央町4)。運営する協同組合の理事長を4年前から務める亀谷和人さん(53)は「地元に必要とされ、来て楽しい店づくりをしないと生き残れない」と、さまざまなアイデアを仕掛ける。

 アーニスは1994年、「幌別銀座通り商店街」があった区画を再開発して開業した。鉄筋コンクリート4階建て。延べ床面積は1万4300平方メートルで、札幌ドームの野球グラウンドの広さに匹敵する。建設費の約35億円は、国の補助金や融資などを活用した。

 当時、室蘭や登別郊外に大型店が次々と進出していた。危機感を募らせた地元商店主の多くは、起死回生の一手として、アーニスに望みを託した。

 一方、店舗面積に応じた最低2千万円の出資金を用意できない、後継者がいない、といった理由で廃業を選ぶ店主もいた。

 亀谷さんは開業時から、洋菓子・ケーキ販売「銘菓本舗かめや」を構える。本店は鷲別だが、軸足はアーニスへ移した。「大型店に負けない。やるぞ、という感じでした」と振り返る。

 当初、25店舗でスタートし、客足は順調だった。しかし、開業4年目の97年、核店舗の総合食料販売「プラザファイブ」が経営難で一時撤退した。翌年に営業再開したものの、99年には営業停止に追い込まれた。

 2003年から道内流通大手アークス系のホームストアが核店舗で入るが、出店時の借金が返済できず閉店する店も出た。現在の入居は17店舗にとどまる。

 「自分の店のことだけ考えていてはダメだ。地域の団体とも協力し、既存の大型店にはまねできないことをしないと」。亀谷さんは14年、決意を持って理事長に就任した。

 まずは、市立図書館の分館を2階の空きスペースに誘致した。蔵書約1万冊、雑誌類30誌以上。仕事帰りでも利用できるように、本館(中央町5、蔵書約13万冊)より通常2時間遅い午後8時までの開館にした。

 市社会福祉協議会とも連携し、高齢者の「居場所づくり」と「買い物支援」を一体的に行う「支え合い事業」を昨年始めた。介護予防体操やお茶のみ交流のほか、買い物の付き添い、荷物運びも手伝う。

 組合職員のアイデアも積極的に採用した。その一つが「フリマボックス」。登録料300~500円を支払い、手作り品や子供服、食器などに値段を付けてボックスに入れると、スタッフが代行販売してくれる。登録者は現在88人に上る。

 空きスペースを1日3500円で貸す「一坪ショップ」も好評だ。月2回ほど出店する美容マッサージ「サロンドフルーベル登別店」の洞口真世さん(32)は「美容マッサージをやったことがない人が立ち止まってくれる。常連になってくれる人もいる」と話す。

 空き店舗が多く、十分な家賃収入が確保できないため、厳しい施設運営が続く。ただ、亀谷さんは「開店前からお年寄りが待ってくれているのを見ると、地域とのつながりを感じる」と手応えもつかんでいる。

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