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札幌市手当不正 元は税金の自覚足りぬ

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 札幌市は、職員19人が住居手当計6016万円を不正に受給していたと発表した。

 親と賃貸契約した形にして、家賃を支払わずに手当を受け取るなど、親族間の契約が「隠れみの」になっていたという。

 市は職員の自己申告のみで支給しており、定期的に住宅の所有者や家賃の支払いの有無を確認する仕組みを設けていなかった。

 ずさんなこと、この上ない。

 そもそも、親族間の契約でも、住居手当を支給する発想に、民間の感覚とずれがある。まして手当の原資は税金だ。

 市は「国の制度に準じている」と説明するが、違和感を拭えない。国や他の自治体でも手当の支給状況を点検した上で、制度の見直しを図る必要があろう。

 市に昨年末、匿名で通報があり、親族と賃貸借契約を結ぶ322人を調査したところ、19人の不正受給が判明した。

 2世帯住宅が両親の死亡後に自分の所有になったのに届け出ず、519万円を受け取った50代男性など、特に問題のある3人は停職などの懲戒処分にした。

 不正受給の最高額は839万円で、期間は29年余りに及ぶ。

 市は支給開始に当たって、賃貸契約書と直近1カ月の家賃の領収書の提出を求めているものの、登記簿などで住宅所有者の確認をしていない。その後、変更の申告がなければ、支給が続く。

 チェックはほぼ形骸化していると言わざるを得ない。

 市は、家賃の支払いを証明する書類を毎年提出するといった再発防止策を打ち出した。

 しかし、親族間のお金のやりとりをどこまで正確に把握できるのか疑問が残る。

 当然ながら、公金である手当の支給は厳格でなければならない。厳密なチェックが困難である以上、親族間の契約は支給の対象から外すのが妥当だろう。

 札幌市では、2017年度に不祥事を起こして懲戒処分を受けた職員が29人に上った。16年度は過去5年で最多の39人だった。こうした事態を受け、市は今年2月に懲戒処分指針を厳格化した。

 昨年11月に発覚した交通局職員24人による業務用ICカード乗車券の不正使用は、秋元克広市長自らが「恐らく従前から続いてきたあしき慣習」と批判した。

 今回の不正も長年繰り返されてきた悪弊と言える。このまま綱紀の緩みが続くようでは、市民から見放されよう。

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