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GDPマイナス 「足踏み」とは認識甘い

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 日本経済の先行きへの不透明感が強まったと言えよう。

 内閣府がきのう発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0・2%減、年率換算では0・6%減だった。

 マイナス成長は9四半期(2年3カ月)ぶりとなる。

 内需が軒並み振るわず、輸出も伸び悩んだ。政府は一時的な足踏みとの見方を示しているが、景気のけん引役は見当たらず、とても楽観できる状況にはない。

 アベノミクスは実体経済への対応力を完全に失っている。早急な見直しを求めたい。

 今回、マイナス成長に転落した最大の要因は、内需の柱である個人消費の落ち込みだ。

 寒波などの天候不順による野菜価格の高騰や、ガソリン価格の上昇で消費者心理が冷え込んだ。

 住宅投資も、相続税対策のアパート建設が一時期盛り上がった反動で減少が続く。設備投資も減少し、内需は総崩れとなった。

 茂木敏充経済再生担当相は「雇用・所得環境の改善が続いている」として、景気は再び回復に向かうとの見通しを述べたが、認識が甘いのではないか。

 確かに今年の春闘で大企業の賃上げ率は3年ぶりに前年を上回ったが、北海道など地方の中小企業はそうした余力に乏しい。

 一方で、中東情勢は不安定さを増し、原油価格は約3年半ぶりの高値水準にまで達している。

 物価上昇に賃上げが追いついていないというのが国民の大多数の実感だ。消費が持ち直すどころか、家計がさらに節約志向を強めても不思議はない。

 世界経済の停滞も懸念される。特に米中貿易摩擦の行方は予断を許さない。両国の企業が生産や投資に慎重になれば、日本からの輸出にも悪影響が及ぶ。

 景気失速への警戒が必要な状況にもかかわらず、安倍政権の経済政策はあまりにちぐはぐだ。

 国民は物価高を歓迎していないのに、日銀は物価上昇率2%の目標達成に固執し、大規模な金融緩和を5年以上も続けている。

 成長戦略は「1億総活躍」「人づくり革命」など看板が次々と替わるばかりで、具体的な成果を上げたものは皆無に等しい。

 アベノミクスに最も欠けているのは、国民の将来不安を取り除き、安心してお金を使える環境をつくる政策である。格差是正や持続可能な社会保障制度の確立に最優先で取り組むべきだ。

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