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道内主要企業19年春採用計画 人材獲得競争、激化 選考早期化の流れ鮮明

 北海道新聞が道内主要企業97社を対象に4月実施した2019年春の採用計画アンケートで、激しい人材獲得競争の実態が明らかになった。4割が採用人数を18年実績より増やすと回答し、学生優位の「売り手市場」の様相が強まる。道内でもインターンシップなどで早期に学生との接点を探る企業が8割近くに及び、面接などの選考解禁を6月と定めた経団連の指針より前に、実質的な採用活動を進める傾向が顕著になった。

 19年春の採用を「増やす」と答えた40社のうち、最も多いのは流通・卸関係企業の12社。増やす理由は、「事業拡大計画に伴うもの」が14社、「業績や経営環境の改善」4社、「社内の年齢構成の調整」4社だった。

 企業が予定する人数を採用するハードルは高い。アンケートでは人材獲得競争が「激しくなっている」との回答が83社(85%)に及ぶ。「学生はどこに行ったんだというくらい、単独説明会に来なくなった」(建設・不動産)という記述もあった。

 売り手市場が定着するなか、76社(78%)の企業が従来以上に「人材確保に向けた取り組み」を実施。多くはインターンシップを大学3年生の夏休みに開くが、「インターンを積極的に行い、早めに人材を確保」(サービス・情報通信)すると、採用活動を意識した考えを示す企業もあった。

 経団連が会社説明会などを3月1日、選考解禁を6月1日とする指針を設けて3年目になる。ただ、インターンシップなどの学生“囲い込み”で採用活動は実質前倒し状態となった。

 アンケートでは解禁時期について「遅すぎる」との回答が4分の1。流通・卸関連企業からは「(選考解禁の)6月1日まで学生をつなぎとめるのが難しい」、「インターンシップが事実上の説明会、選考と化している。まともに6月から始めたのでは間に合わない」と苦しい声も上がった。

 一方、首都圏などの企業による道内学生獲得の働きかけも強く「優秀な学生が本州に流れてしまい、道内企業の採用が厳しくなっている」(アイシン北海道)との危機感も。「リクルーター制度を導入」(サービス・情報通信)と新たな手法で対抗するほか、「本州のU・Iターン学生へのアプローチを強化」(コープさっぽろ)、「インターンシップを札幌だけでなく東北、関東でも実施」(建設・不動産)など逆に道外に打って出る企業もある。

 学生の関心が高い待遇改善を打ち出すケースもある。札幌丸井三越は19年4月から初任給を引き上げ、野口観光グループは社内保育所など福利厚生の体制整備で学生にアピールする。(宇野沢晋一郎)

■新卒採用に関する道内主要企業の意見・対応一覧(PDF)

■売り手市場にリスクも 就職支援会社、ジェイ・ブロード 前田健郎北海道支社長

 今年は企業から学生に実質的な内定が出る時期が明らかに早い。われわれの調査では4月20日時点で、道内国公立大学の文系学生の2割近くが実質内定を得ていた。昨年同時期は1割で、大幅に増えた形だ。

 実質内定を持つ学生の多くは、3年生だった昨夏から今年にかけて参加したインターンシップ先から得ている。新卒人材の獲得競争が激しくなるなか、企業はインターンによって、選考対象とする学生の母集団を早期に作り上げている。

 この結果、今年は逆に3月以降の学生の動きが鈍くなっている。エントリーする企業の数や、会社紹介などを目的に開催する合同セミナーへの1人あたりの参加回数は昨年より減少している。

 売り手市場と言われるものの、選考の早期化は学生にとってリスクもある。企業の絞り込みを早めにしすぎると、選考に漏れたとき、別の企業の選考がすでに締め切られているケースもあるからだ。インターンに参加しても就職活動が有利になった訳ではない。選択肢を広げる活動はこれまで通り必要だ。

 インターンなどの実施は企業にとっても負担が大きい。採用活動に多くの人を割けない中小企業はさらに人材確保が苦しくなると予想される。

 道外では実質的な選考をさらに早める動きもあるが、多くの学生はこれ以上の早期化にはついていけないだろう。道内の学生には道内志向も根強くある。売り手市場だが、賃金面よりも、休みやすく、転勤が少ないなどの労働環境を重視する学生も増えている。企業の合同セミナーでは日本を代表する製造業大手よりも、道内の菓子メーカーの方が学生を集めているケースもある。

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