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日報「なぜ隠した」 道内隊員、政治問題化に戸惑い

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 防衛省が16日に公表した陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報には、道内部隊の派遣期間に自衛隊に対するテロ情報を伝える記述があるなど、緊張を強いられた状況が明らかになった。イラクでの任務に当たった道内の隊員や陸自OBは、当時の日報が政治問題化することに戸惑い、イラク派遣の違憲訴訟の関係者は「日報の隠蔽(いんぺい)は戦闘地域だったことの証左だ」と憤る。

 「自衛隊及び日本人に対する様々(さまざま)なテロ関連情報はある」。道内部隊派遣中の2004年3月の日報には武力攻撃の危険性が記述されていた。道内部隊は04年2~9月にイラクで活動し、第2師団(旭川)や第11師団(現第11旅団、札幌)などから約千人が参加。公開された日報の中には含まれていないが、04年4月にはイラク南部サマワの宿営地付近に迫撃砲かロケット弾とみられる砲弾が相次いで撃ち込まれたことも明らかになっている。

 当時派遣されていた現役隊員は「砲撃音に驚いた」「地元の治安は悪化していた」と振り返る。

 道内の陸自OBの60代男性も宿営地で迫撃砲の飛来を目撃。「宿営地を狙ったのではなく威嚇射撃だと感じたので怖さはなかった」と言う。男性は日報の基になる業務報告をしていた。「何が起きたかを確実に記録することは大切」と強調。日報の取り扱いで混乱が拡大しているが、「日報は貴重な資料。今後、海外派遣される隊員が安全に任務を行うための教訓として生かしてほしい」と求めた。

 イラク派遣を経験した道内の隊員は「自分の活動中には危険は感じなかった」と話す。一方で、「復興支援の任務の実績ではなく、戦闘があったかどうかばかりが今、注目されるのは複雑」と心境を明かした。

 04年に札幌で起こしたイラク派遣差し止め訴訟の弁護団事務局長だった弁護士佐藤博文さん(63)は憤りを隠さない。「政府が復興支援を強調するなら、日報などの資料はオープンにされるべきだった。隊員が危険にさらされていたから開示できなかったのでは」

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