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高梨、今季を振り返る 積み重ねたもの最後に形に 成長確認できた

 ノルディックスキージャンプ日本女子のエース高梨沙羅(クラレ)が北海道新聞のインタビューに答え、今季を振り返った。2月の平昌冬季五輪で銅メダルを獲得、W杯では通算勝利数を男女を通じて歴代最多の55勝にまで伸ばす充実のシーズンだった一方、「今の私のジャンプでは世界では通用しないと感づきました」と、かつてないほどの危機感を募らせていたことも明かした。(聞き手・須貝剛)

 平昌五輪終了後の3月上旬。高梨は、競技人生で味わったことのない不安に襲われていた。

 「勝てないままシーズンが終わってしまうのかなって。自分のジャンプを見失いそうになりました」

 昨年12月のW杯開幕から13戦連続で優勝できず、勝ち星なしの自己ワーストを更新し続けていた。ほぼ毎日つけているジャンプ日誌にも、次第に悩みを記すことが増えていた。

 「女子のレベルが上がり、勝つのが難しくなってくるとは分かっていました。でも(想定より)さらにレベルが上がりましたね」

 今季、圧倒的なジャンプを見せつけたのが、マーレン・ルンビ(ノルウェー)と、カタリナ・アルトハウス(ドイツ)だった。

 「2人のジャンプに共通するのが、踏み切りの力強さ。脚力があります」

 今季は、スタートゲートの位置が、昨季までより低くなる傾向があった。助走速度が遅くなると、一般的に脚力が強い欧州勢が有利とされる。高梨が苦戦した理由の一つでもあった。

 「ゲートが下がると踏み切り後の速度や高さが出づらくなります。高い技術が求められる。ジャンプをバラし、組み立て直さないと勝てないと考えています」

 ゲート位置が低くなって飛距離が伸びづらくなっても、高梨のW杯での昨季と今季の1試合の平均得点(ノーマルヒル、2回の飛躍を行った場合)はほぼ同じだったことから、今季調子を崩したわけではないことが分かる。それに対して、ルンビは約20点伸ばしている。

 「成長している手応えはありますが、2人に比べると足りなかったですね」

 ルンビ、アルトハウスに続き銅メダルだった平昌五輪。欧州勢との力関係を悟りながらも金メダルの目標は一度も揺らがなかった。

 「やっぱり『金』は欲しかった。でも、これまでは(五輪など)ここ一番の大きな試合で力を出せないのが私の弱さでした。今回はメダルを獲得できたという意味で(競技人生で)最も収穫があり、自分の成長を確認できたジャンプでした」

 3月24日、W杯第14戦でようやく今季初勝利、通算54勝目を挙げ、通算勝利数で男女歴代単独最多とした。最終戦の第15戦も勝ち、通算55勝に到達した。

 「まさか勝てると思っていませんでした。ルンビ選手は本調子ではなかった。でも、焦らず、慌てず、諦めず、積み重ねたものが、最後にようやく形になったのかなと。苦しかったけれど、試行錯誤を楽しんでいる自分がいた。ポジティブに考えられるようになったのも、成長だと思います」

 W杯総合は3位。世界の「女王」に返り咲くため、長期の休みはとらず、現在も陸上トレーニングを続けている。ただ、「女王」という言葉には高梨独特の定義がある。

 「男子と戦えるようになって初めて『女王』じゃないですか。私は男子と同じ条件で同じくらいの飛距離を飛びたいんです。自分の可能性を信じられなくなれば競技をやめる時。可能性を信じられる限り、私は成長できると思っています」

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