PR
PR

日中対話 関係強化へ基盤固めを

[PR]

 河野太郎外相は来日した中国の王毅外相と会談し、安倍晋三首相と習近平国家主席による首脳間の往来を推進させることで一致した。8年ぶりの「日中ハイレベル経済対話」も開かれた。

 北朝鮮の非核化協議実現に向けた米国、韓国、中国の対話外交が急展開する一方、米中の間では貿易摩擦が激化している。

 安全保障、経済の両面で不確実な国際情勢の中で、停滞していた日中関係が改善の流れを加速させた意義はある。

 ただ、中国は沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入を続けており、経済協力の拡大に向けても中国側の透明性の向上など課題が残る。

 日中関係が改善から強化へ向かう確かな基盤をつくるために、着実な対話の積み重ねが必要だ。

 今回の王外相来日に続き、来月には日中韓首脳会談出席のため李克強首相が訪日を予定する。

 先月の全国人民代表大会で2期目の権力基盤を固めた習政権は、米中関係の行方が不透明さを増す中で対日関係改善を急ぎ、経済圏構想「一帯一路」への協力を取り付けたいと考えているようだ。

 両外相は2日間の対話を通じ、自由貿易体制維持の重要性と、貿易戦争は回避すべきだとの認識で一致した。保護主義的圧力を強める米政権に対する日中連携は異例の構図と言える。

 ただ河野氏は中国側に、鉄鋼の過剰生産や知的財産権侵害の問題への対処も求めた。中国が乗り越えねばならぬ課題だろう。

 一帯一路の協力に際しても、中国が構想を軍事的な権益拡大に結び付けず、国際協調の視点に立つことを見極める必要がある。

 そもそも中国は今も、尖閣を含む東シナ海や南シナ海での活発な海洋進出を続けている。自制が求められるのは当然だ。

 李首相訪日に向けて、東シナ海での偶発的衝突を防ぐ防衛当局間の海空連絡メカニズムの運用開始で正式合意できるよう、両政府は詰めの調整を急いでもらいたい。

 外相会談では、中国側から先の中朝首脳会談の詳しい内容について説明があったようだ。

 北朝鮮の完全な非核化に向け各国の足並みをそろえ、拉致問題の解決につなげるために日本も積極的に行動する時である。

 今年は日中平和友好条約締結40周年の節目に当たる。大国となった中国と向き合いながら主張すべきを主張し、双方の利益を拡大する互恵関係を進めていく。したたかな外交戦略が必要だ。

どうしん電子版のご案内
北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
ページの先頭へ戻る