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<6>25条 人間らしい生活 保障

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【第25条】すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
《2》国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


 憲法25条は、社会的・経済的弱者を含むすべての国民が人間らしい生活を送れるよう、生活保護などを通じ国家に一定の介入を求める生存権を定めている。個人の自由を権力に侵されないために国家が国民に干渉しないよう定めた自由権とは違い、国家に「何とかして」と求める権利で、これを社会権と呼ぶ。

 社会権は、20世紀になって登場した比較的新しい権利だ。市場経済や資本主義が発達するにつれて発生した貧富の差の拡大や失業、労働問題などを受け、1919年のドイツのワイマール憲法で初めて規定された。

 25条に加え、教育を受ける権利を定めた26条、勤労の権利をうたった27条、労働組合をつくったりストライキをしたりする権利を保障した28条が、社会権の規定とされる。

 25条は、国が「社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とする。具体的には生活保護法、国民年金法、感染症予防法など個別の法律により「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障することになる。

 生存権が保障されておらず憲法違反だと訴え出るには、こうした具体的な法律に関して対応を問う必要があるというのが通説だ。

 佐賀県では2月25日、昨年8月からの生活保護費引き下げで「健康で文化的な最低限度の生活を奪われた」として、14人が県と佐賀市に引き下げ取り消しを求める訴えを佐賀地裁に起こした。今後、全国的な集団訴訟に発展する可能性もある。

 生存権は国民が国家に依存することを良しとするものではない。国民主権や個人の尊重という憲法の土台に立って国民自身が理不尽な政策や社会の仕組みを排除し、人としての生活を取り戻すための権利といえる。

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