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<5>99条 尊重義務、全公務員に

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 第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


 憲法を守らなければならないのは誰か。憲法99条で具体的に名指ししているのは、天皇と三権(立法、司法、行政)の担当者だ。国や地方を問わず、すべての公務員にも憲法の尊重擁護義務がある。

 この義務を守らなくても直ちに処分や処罰につながらないとするのが通説だが、憲法の最高法規性を保つ条項の一つとして大きな役割を持つ。

 なぜ「国民」とは名指しされていないのか。多くの憲法学者は、そこに立憲主義の本質が凝縮されているとみる。

 立憲主義とは、憲法によって国家権力を制限して権力乱用による人権侵害に歯止めをかけ、憲法に基づく政治を行うこと。主権者であり、憲法制定者である国民は、権力が憲法に反して暴走しないよう、いわば「監視役」と位置づけられる。国民は権力を縛り、権力に「憲法を守れ」と求める側であるからこそ、国民の義務は書かれていないとの考えだ。

 憲法96条は国会議員に憲法改正の発議権を認めているが、最終的に国民投票で憲法を変えるか変えないかを決めるのは国民だ。

 国会議員の発議についても、現行憲法を全面破棄して新憲法を提案することは、現行憲法の価値を否定し、99条違反になるというのが通説となっている。

 自民党は憲法改正草案で「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と明記し、尊重義務の対象を国民にも拡大。衆院憲法審査会の議論では、自民党以外の各党は「国家権力を縛る憲法から、国民を縛るものになる」とそろって反対している。

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