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<1>前文 平和や国民主権うたう

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 【前文(抜粋)】
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、……主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、……その福利は国民がこれを享受する。……われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、……平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。……平和のうちに生存する権利を有することを確認する。……


 日本国憲法の全103条に先立つ前文は、憲法の基本的考え方を示し、各条文を考える上での手引きとも言える。単なる理念ではなく、条文と同様に法的効力を持つとの考え方が一般的だ。

 憲法の基本三原則《1》国民主権《2》恒久平和主義《3》基本的人権の尊重―をうたった前文は冒頭、第2次世界大戦などの戦禍に対する反省の下に、平和の達成と自由の確保という憲法制定の目的と、代表民主制の原則を定める。

 「これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」とのくだりもある。これにより、憲法改正には一定の限界があり、基本三原則に反する改正はできないとする学説が有力だ。

 中盤にある「平和のうちに生存する権利」は、「平和的生存権」と呼ばれる。第9条(戦争の放棄)、第13条(幸福追求権)とあわせて主張されることが多い。

 自民党は現行憲法の前文を「わが国の歴史や伝統、文化を踏まえておらず、日本語として違和感がある」とし、党憲法改正草案では全面的に変えた。特に現行の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分について「ユートピア的発想だ」と批判している。

 基本三原則のうち、「基本的人権の尊重」という文言そのものは前文にはない。これを明記するための前文見直しには、日本維新の会、みんな、公明、生活の各党も前向きな姿勢を示している。


 日本国憲法は私たちに何を伝え、何を与えているのか。熱を帯び始めた憲法改正論議を踏まえ、参院選を目前に、憲法の条文をあらためてじっくりと読み返したい。

(東京報道の森貴子が担当し、6回連載します)

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