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棒の束

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岩波文庫のイソップ寓話(ぐうわ)集に、こんな話がある。けんかばかりしている息子たちに、父親が棒の束を持ってこさせ、折ってみろと指示する。だが、力を込めても折れない。次に束をほどき1本ずつにして渡すとすぐに折れた。父親は言い聞かせた。「おまえたちも心を一つにしている限り、敵も手が出せまい。しかし、内輪もめをしていると容易に敵の手に落ちるぞ」▼結束の重要性は古今東西を問わないようだ。日本では「三本の矢」がよく知られる。戦国武将である毛利元就が3人の息子に、矢を3本束ねたときの強さを教えた▼こうした寓話や故事が今に伝えられているのは、現実の世界で「三本の矢」のような結束が難しいからなのか。日本の野党を見てつくづくそう感じる▼昨年の衆院選を機に最大野党の民進党が分裂。「政権」を接着剤に結束した自民、公明という「二本の矢」にやすやすと3分の2の議席を与えた▼ここにきて民進党と希望の党が新党結成の協議を進めているが、内部に異論を抱えている。しかも野党第1党の立憲民主党は冷ややかで、足並みはそろっていない▼元のさやに戻るのは難しかろうが、連携を欠けば国政チェックという大切な役割は果たせない。「森友」「加計」問題などでは野党が攻勢に出ているように映るが、政府・与党も防戦に躍起だ。胸突き八丁にさしかかっているのは、野党の方かもしれない。2018・4・16

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