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町村議会改革 自治機能高める制度に

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 過疎地の町村議会で深刻化する議員のなり手不足を解消すると同時に、議会の活性化につながる改革が求められる。

 総務省の有識者研究会が、町村議会のあり方に関する報告書をまとめた。

 議員の兼業・兼職制限を緩和する「多数参画型」と、少数の専業的議員による「集中専門型」の二つの類型を新たに提唱し、現行制度を含む3種類から選択できるようにするのが柱だ。

 自治を担う人材を確保するため、町村議会に選択の幅を持たせることは理解できる。

 地域のことは地域で決める―。これが地方分権の趣旨だ。

 二つの類型だけにとらわれず、住民自らが地域の事情に合わせて、より柔軟に選択できる仕組みを目指すべきだ。

 多数参画型は、自治体と取引がある企業の役員との兼業や、他自治体の職員との兼職を可能にし、他に本業を持つ議員が副収入的な報酬で夜間や休日に活動する。

 集中専門型は、生活できる報酬を保障し、少数精鋭で活動する。議員を減らす代わりに、裁判員のように抽選などで選ばれた住民が審議に加わる仕組みを導入する。

 議員になれる対象を広げたり、報酬を引き上げたりすることで、立候補の意欲を高めるのが狙いだが、問題点も少なくない。

 多数型は、議員に取引先の企業役員が含まれる可能性があるため、議決対象から契約、財産の処分を外すことを想定している。

 これでは町村発注の公共事業などが、チェックなしに契約され、行政の専権事項になりかねない。

 専門型も、少ない議員が行政運営に深く関わるだけに、首長との緊張関係が維持できず、監視機能が低下する恐れがある。

 なり手不足解消を優先するあまり、議会の役割がおろそかになっては意味がない。

 全国市議会議長会と全国町村議会議長会が2類型の提示に「押しつけ」と反発するのも一理ある。

 議員確保の試みでは、十勝管内浦幌町議会が昨春、報酬引き上げを柱とした改革案をまとめた。このうち、会社員との兼業を増やすための方策などについて、法改正や制度創設を国に提言した。

 住民による政策サポーター制度を導入し、サポーターから議員が生まれた長野県飯綱町議会のような取り組みもある。

 新しい制度の具体化に当たっては、こうした地方側のアイデアを十分に生かす必要がある。

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