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<ガバメント北海道 舞台裏を読む>「秘境」道議会 改革なるか

 傍聴に来ていた、ある大学教授の一言が忘れられない。「まるで、最後の秘境だね」

 道議会のことだ。議員と道幹部の質疑応答には大抵、事前に一字一句すり合わせた「台本」がある。道の施設は全て禁煙なのに、議会庁舎ではあちこちでたばこを吸う人がいる。いまだに道民の税金で、議長肖像画を作成している。

 同僚や道職員との居酒屋での飲食に、政務活動費(政活費)を充てる議員が目立つ。公費での海外視察が多く、効果を疑問視する声がある。教授が皮肉を言うのも、分かる気がする。

 3月20日、全5会派でつくる議会改革等検討協議会(改革協)が5年ぶりに開かれた。道民の厳しい視線を受け、ようやく重い腰を上げたのか。そうとは限らないのが政治の世界だ。

 改革協はかつて、道の財政難を踏まえた議員報酬の削減(現在は終了)や議長公邸の廃止などを決めた。「改革に一定のめどが付いた」との理由で、2013年3月を最後に休眠状態になっていた。

 この間、野党会派が再開を求めたが、議長を輩出する最大会派の自民党・道民会議が取り合わなかった。「政活費は手引に沿って支出している。肖像画予算も200万円から15万円に削った。今は話し合うテーマがない」との理由だ。

 事態が動いたのは、昨年9月。正副議長と各会派の代表者が、改革協の再開で突如合意した。温和な人柄で知られる大谷亨議長が「出身の自民会派に十分諮らず、野党の求めに応じてしまった」(議会関係者)のが真相だ。

 慌てた自民会派は翌10月、「身内」の大谷氏に、こんな条件を突きつける。《1》野党会派出身の副議長が務めていた座長を自民から出すこと《2》構成員の過半数を自民が占めること―。

 自民会派がここまで抵抗するのにも言い分がある。「過去の改革協では、野党会派ができもしない改革案を打ち上げ、選挙向けの宣伝に使ったことがあった」(幹部)

 曲折の末、野党会派が条件をのみ、晴れて再開となったが、次の道議選まであと1年。議論の時間は、あまりにも少ない。

 個々には、前向きな案を持っている議員もいる。

 「肖像画は議長が自費で作り、庁舎に掲げる権利だけ与えてはどうか」(自民会派中堅)「政活費の使い方の透明性を高めるため、領収書をインターネット公開すべきだ」(北海道結志(ゆうし)会若手)

 120億円規模を投じる庁舎建て替えでも「特権意識」の批判を浴びた道議会。改革協は各会派がテーマを持ち寄り、6月以降に次回会合が開かれる見通しだ。道議会は自己改革で「秘境」の異名を返上できるだろうか。(報道センター 佐藤陽介)

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